里山工房 用語集
骨董品 (2)
骨董(コットウ)とは中国の宋代に始めて見られる言葉で原義は料理で骨を長く煮て作った煮こごり風の羹(あつもの)の名前でしたが、後に転じて長く人々に愛玩された古物(古玩)を指すようになりました。日本にこの言葉が渡来してきて、江戸時代には広く古玩物全体を総称するようになりました。当時は美術品という用語が無くて道具と呼ばれていましたが、文人画や茶器は道具よりも高級な趣味品であり一般的な古道具(「ふるどうぐ」ですね)と区別するために中国渡来の外来語で骨董という言葉が使われるようになりました。

ところが昭和になると美術品という言葉が定着し、美術品ではない骨董品は芸術的な価値ではなくて偏狭な趣味者による衒学的な鑑賞物を指すようになってしまいました。これは美術の鑑賞が純化されたためでしょうが、身辺に古い味わいのあるものを気軽に飾って楽しむようなライフ・スタイルがもう一度提案されてもいいのではないでしょうか?
右上の額に入った絵のようなものは古い木綿の布団から切り取られた古布で二匹のウサギが仲良く並んでお月見をしているところです。

英語におけるアンティークという言葉にはそのような貶める意味はないようです。イギリスやアメリカでは法律によって、作られてから100年以上経過したものに限定されているようです。
ただしアンティークとか骨董品という言葉を人間の形容には使ってはいけません。サイト・オーナーも作られてからの経過年数を四捨五入すれば100ねんッ!
参考資料 世界大百科事典 Vol.11 平凡社 1972年