樹木の模型

崖っぷちの桜

TR004 Web#=107 掲載2009/4/17

春の花木の女王はなんと言っても桜の木でしょう。特に染井吉野という品種は葉が出る前に花が咲いてしまうので、木全体が薄いピンクになってレイアウトに映えるものです。

狭いレイアウトやセクションの場合、桜の大木を自然らしく植えるのは背の高さの問題で難しいものです。そこでこの写真のように、崖っぷちにしがみついているような形にしてはいかがでしょうか?

仁川(写真の川です)の川沿いはずっと桜並木でしたが、上流で宅地造成がありほとんどがダンプカーに引っ掛けられてダメになりました。その中で1本だけがこのような樹形だったので生き残りました。その頃(50年も前)は環境保護の意識が無い時代だったのでしょう、残念なことです。

この桜は61歳の私が小さい頃にはもう大木でした。染井吉野の寿命は60年ぐらいと聞きました。この木も勢いが全然無く、幹に大きな穴が明いていて、腐敗防止のためにセメントが流し込まれています。大きな枝(足ぐらいの太さ)が河原に落ちていました。樹形も私好みですし、もう少し長く咲いていて欲しいものです。仁川が田舎のせせらぎから都市河川になった段階(40年ほど前)で、並木はほとんど全滅でした。

昔は舗装がしていなくて桜にとっては水がよく滲みこんでいいところだったと思います。仁川も川底を掘り下げる工事(2mぐらい)をしていなかったので、桜の根が河床まで届いていたと思います。

レイアウトセクションで再現してみたいですね〜。岸から川面まで浅い川、舗装していない道、自然石をモルタルで積み上げた護岸、そして川面に垂れ下がる枝垂れ桜の大樹。