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ES001 Web#=6 掲載2007/11/23
人と自然の博物館
このエッセイは里山工房での最初の記事です。しばらくはUploadの失敗やテストデータなどでお目を汚すかと思いますがよろしくお願いします。 里山の植物生態学に関する知識を得ようとして、あちこち探しておりましたが、いい所が見つかりました。 兵庫県三田市にある兵庫県立「人と自然の博物館」(写真1)です。私が子供から高校生の間の時期(1960〜1970年ごろ)の地方では、まだ燃料革命が進行中でした。依然として持ち山から燃料となる雑木や堆肥となる下草を採取する習慣がありました。
植生の遷移
荒地や裸地に最初に生えるのは草ですが、次は痩せていて木が茂っていない明るい土地で生育する赤松や黒松の類が優勢となります。次いで松の木陰でも生育する広葉樹(椎とか樫など)が成長して大木になり、松は日光の不足で枯れてしまうそうです。つまり植物相が遷移していくわけです。広葉樹が優勢になると植物相は安定して遷移しなくなり、この状態を極相といいます。
林相のサンプル展示
1970年代までの懐かしい里山について、樹種や高さの分布、樹木の根元(林床)の状況、薪炭の材料となった背の低い広葉樹の状況などが展示物でよく分かりました。また博物館の教授の先生から里山についてのいろいろな知識を頒けてもらえました。近くにある妙見山(ミョウケンヤマ、能勢電鉄の終点)の近くには日本で唯一(らしい!)の生きている里山がまだ残っているそうです。茶道で使う木炭を専門に焼いている炭焼きの人達が住んでいて、持ち山を10ぐらいに分割して10年単位で一回りするように雑木を伐採して木炭にしています。写真2はそのような松林の中にある植生を10m x 10mの範囲ですべて切り取って標本にしたものです。
ジオラマ
以前からジオラマに興味を持っていたので展示物はとても面白いものでした。近くなんだから能勢に室町時代から続いているという生きてる里山を見学しようと思います。生きている囲炉裏や茅葺屋根は服部緑地に有る日本民家集落博物館に行けば見られます、コッチも是非行かねば。もう少し涼しくなって「朧月夜」という歌が相応しくなった頃にレポートしますので、乞うご期待。干し柿がつるされた茅葺屋根と里山のジオラマが完成したらこれもレポートしますので3年計画で乞うご期待。写真3は博物館で展示されている雑木林のジオラマです。
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