樹木の模型

丘の端の錦秋

TR003 Web#=34 掲載2007/12/1

レイアウトを構想する場合に山と里や水面との接線はどうなっているのかすぐには思い出せないのではないでしょうか? そこんところを知りたくて、近所の里山にロケに出かけました。

車輌の場合ですと廃車になるとか塗装が変わるとかで何時も追われているようですが、自然はありがたいことに何度でも毎年モデルチェンジ無しでやり直しをしてくれます。

今年は里山の時代(1950〜1970年代)とは違って、今ごろ(12月初旬)が錦秋真っ盛りです、あいにく空はどんよりと曇っていますが、ちょうど室内レイアウトに窓から光が差し込んでいるとか、夜に人工光での照明下にある場合によく似た状況でしょう。

写真1や写真2にあるように、普通の里山には全山紅葉というのはありえないようです。このあたりの六甲山系は花崗岩が風化した薄いミルクコーヒー色をした土砂で出来ているので、貧栄養土壌の代表でしょう。まだまだ痩せた土壌でも元気な常緑樹の松ががんばっています。

画面中央の白い部分は地すべりで薄いミルクコーヒー色の土砂がむき出しになっているところです。

紅葉も櫨(ハゼ)の真紅から茶色、黄色と色も様々で常緑の松の間に紅葉の塊が挟まっているような感じです。遠くから眺めてみると山塊には樹幹が見あたりません。つまり着色スポンジやフォーリッジを山肌から浮かして取り付ければ表現できそうです。でも山の端は「キモ」なので、樹幹だけでなく下草も地面もマジメに作らねばおかしくなりそうです。

近くの丘は紅葉の彩りもはっきりしているのですが、ちょっと遠くの山になると色が青や紺に近くなっています。こんなに遠くの山はレイアウトでは書割(バックパネル)で表現するしかなさそうです。ここから遠くの山の頂までは3km以上(HOスケールで38メートル!)あります。