古い車輌の写真

川崎製鉄 葺合工場

18号蒸気機関車

RF001 Web#=1 掲載2007/11/24

工場の片隅で働いていたスチームロコをご紹介しましょう。
場所は兵庫県神戸市にある川崎製鉄葺合工場の片隅、撮影は1970/2/14です。撮影した時は「公開しないでいただきたい」との要請がありましたが、とっくの昔にこの蒸気機関車はあの世に旅立っていますので、もう時効でしょう。

写真左は重量物運搬貨物列車(シキ!?)を全力で牽引する18号蒸気機関車。ここには連結器と言う概念が無いようです。

写真中央は18号機の背面、天然素材のリサイクル品(要するに古タイヤ)で作られたバッファーに注目。キャブ左側の2本の掛け金は取り外したバッファーを引っ掛ける金具かな? それとも手動連結器(要するにワイヤーロープ)を引っ掛けて置いておくところかな? 阪神タイガースファンが泣いて喜ぶ虎縞模様、まっ黄色とクロです。どうしてこんなにエンドビームが立派(まるで戦車!)なんでしょうか?

写真右は18号蒸気機関車の型式写真。どこを見ても連結器は無いようですね、いやあのたるんだワイヤーロープが・・・故障知らずシンプルイズベストと言う技術思想を体現する手動連結器でしょう。側面から眺めるとおかしな形をしたドームが目に入ります、さてはロコモティブクレーンの改造か?メーカーは見当も付きません。銘板なんて有りませんし工場内の工務課が勝手な改造を重ねたため原型をとどめていません。ヘッドライトが見当たらないのはこの機関車が残業をしないという宣言でしょうか?

今でも日本のどこかでこのような小さなスチームロコが国鉄のレールとは離れた工場の片隅で今も活躍しているのではないかという幻想がありますが・・・。誰か発見してください。

樹木模型を取り扱っている里山工房の最初の車輌記事が、一木一草も生えていない製鉄工場の構内鉄道になってしまいました。木が一本でも生えていたらさぞや心が和んだのではないかと思います。

       次のページ