古い車輌の写真

大阪窯業セメント 伊吹工場専用線

大阪窯業セメント 伊吹工場専用線

RF002 Web#=2 掲載2007/11/27
修正1 2009/9/12

今回取り上げるのは近江長岡から分岐していた大阪窯業セメント(現在の住友大阪セメント株式会社)の伊吹工場専用線です。普通の専用線は非電化で蒸気機関車やディーゼル機関車を使うのが一般的ですが、ここは予算がたっぷりあったのか、電化して新造のED型電気機関車を2台揃えました。背景は雄大な伊吹山の一部です。しかし2003年には伊吹工場でのセメント生産が終了しています。

いぶき502

写真2はいぶき500形いぶき502号です。1956年に日立製作所水戸工場でいぶき501といぶき502の2輌が製造されました。いぶき501号とは運転台の窓の形が少し違っています。重量50t、1500Vと600Vの複電圧(専用線は600V、国鉄の近江長岡駅構内は1500V)、出力600KWで専用線としては大型の電気機関車です。

1999年に専用線が廃止となり2輌とも大井川鉄道に移籍、ED501形501と502として竣功しました。しかし中部国際空港の工事のために三岐鉄道が200年にED501を借入れ、ED502を購入することになりました。その辺りの動静はここのサイトに詳しいのでご覧ください。

2002年に中部国際空港の工事が終了しED501は大井川鐵道へ返却され、ED502はヘッドライトを原型に戻した上で西藤原駅のウィステリア鉄道に保存展示されるようになりました。

こんなに多額の設備投資をした専用鉄道ですが廃止されてしまいました。この専用線発着貨車だけでタキ1900あたりの専用貨物列車を仕立てられたんじゃないでしょうか?

この電気機関車は日本的というか、マジメで虚飾の無い好ましいデザインと思いませんか? 国鉄のEF15あたりの強い影響を受けていますね。

トム2

この専用線を工場の方にしばらく歩いていくと、このような小さなホッパーを見つけました。多分保線用の砕石を積むための設備だったのではないでしょうか? 変わった形の細身というか幅の狭いトム2が止まっていました。

小さなホッパーのそばにはトム5が停められていました。妻板が珍しく鋼製です。
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