古い車輌の写真

大陸向け蒸気機関車 1

名古屋の中京倉庫にあった蒸気機関車群

RM001 Web#=3 掲載2007/11/28
修正1 2009/8/29

このサイトをご覧になっている皆様、このような光景を列車の窓から見つけたらどんな気持ちがしますでしょうか? おそらくドキがむねむね!!鼻血はッブーっ。東海道本線の快速電車の窓から、1966/12/27名古屋の日本車輌に隣接する倉庫に向かって撮影です。

これは朝鮮戦争の前後に日本車輌で作られた1-D-1(ミカド型)蒸気機関車です。基本設計は第2次世界大戦前に日本が大量に作って朝鮮総督府鉄道や満州鉄道に供給したミカイ型蒸気機関車です。

どういう経緯かは不明ですが売れなかった(いわゆる注文流れ)ため、ピカピカの新品でこの中京倉庫に持ち込まれそのまま朽ち果てていったものです。

新幹線の道床踏み固めに使うというようなアイデアも在ったらしいのですが、結局解体されてスクラップとして処分されたようです。日本と大陸との交渉の生き証人として1台くらいは保存できなかったのかと残念です。

満鉄や鮮鉄の蒸気機関車の型式は軸配置の名称(アメリカにおけるニックネーム)+番号で呼ばれていました。1-D-1はミカド型、最初はイ、次はニ、以下サ、シ、コ、ロ、ナ、ハ、クです。したがって1-D-1型蒸気機関車はミカイ、ミカニ、ミカサと呼ばれました。ニックネームの詳細はこのサイトに掲載されています。

広い倉庫会社の通路の横に一列となって放置されている蒸気機関車、煙室扉が少し開いているのは何かを私に語りかけようとしているのでしょうか? 

テンダの無いテンダロコは異様ですね。埃を巻き上げながら吹いてくる北風の中で、冬の傾いた西日がロコを照らしていました。

通路になっていない方、左側は写真のように雑草や潅木が生えて蜘蛛の巣も見受けられ荒廃していました。完全な逆光線で撮り難かったのですが改めて眺めてみると、とても悲しい光景でした。

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