古い車輌の写真

国鉄 若松機関区 1

若松機関区全景

RJ042 Web#=170 掲載2008/7/4

国鉄の若松機関区を訪問したのは1969/9/20のことです。この頃は幹線の大きな機関区では必ずDD51やDD13というDLが配置されていました。写真を撮っていると必ずDLが画面にしゃしゃり出てくるわけで、邪魔だなと思いながらアングルを工夫していました。ところが若松機関区は筑豊炭田からの石炭積出港として栄えた石炭の街若松にあるためか1両もDLを持っていませんでした。写真1で見られるように旅客用はC55、重貨物はD50、石炭列車は9600、入換は8620が担当していました。機関区の木造建屋も石炭時代のままに煤けており、コンクリート建築はありませんでした。

C5552

写真2は大柄の小倉工場式ディフレクター(所謂門鉄デフ)を装備したC5552です。九州では門鉄デフを装備した蒸気機関車をたくさん見ましたが、このように大柄のものはこれだけです。

C553

写真3はC553の綺麗なスポーク動輪です。C57の大型たこ焼き器的ボックススポーク動輪とは異なり、いかにも「速く走れるヨッ」と自慢しているように見えますね。見えにくいのですがディフレクターはこちらの小柄な普通型のほうがスマートに見えます

29661

写真4は給炭用クレーンの下で待機している29661です。ちょうど石炭の積み込みが終わったのでしょうか、テンダーに石炭が山盛りになっています。

38629

写真5は給水スポートから水を38629のテンダーに注いでいるところです。このハチロクは本来の化粧煙突が失われて、普通のストーブ煙突に交換されています。マニアの人はお洒落な化粧煙突をありがたがるのですが、この少し細長い煙突もローカル線に似合うなかなか好ましいものではないでしょうか。

ワキ702

この年代の機関区には必ず片隅に救援車とか廃車体とか、マニアにはうれしいタカラモノが転がっていました。写真6は救援車代用のワキ700形ワキ702です。この大型有蓋貨車は戦争中に海軍が完成した魚雷を運ぶために作られたと聞いています。同じ様なワキ1形やワキ1000形は幹線の貨物列車によく見受けられてのですが、ワキ700形はこのような救援車代用となっていたものが多かったようです。

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