古い車輌の写真

大物車 3

シキ120A

RJ052 Web#=183 掲載2008/7/19

この記事は吉岡心平氏の著書「大物車のすべて」によって書いたものです。ここに記して感謝を表したいと思います。

1969/3/8東海道本線尼崎駅で撮影した80トン積低床弓形梁式大物車シキ120形シキ120Aです。シキ120形は1952年に三菱電機が三菱重工で作った大物車です。当初はこの弓形荷受梁(後にA梁と呼ばれた)で竣工しましたが、後に吊掛式荷受梁(B梁、1956年製)と分割落し込み式荷受梁(C梁、1959年製)が作られました。前後の枕枠と台車は共通で、貨物の大きさや重さによってA梁B梁C梁を載せ換えて使われていました。

シキ120B

1971/2/20福知山線塚口駅で撮影した110トン積吊掛式大物車シキ120形シキ120Bです。写真1と同じ車ですがB梁を搭載しています。初期の吊掛式大物車は写真2や3のように、トラスブリッジのような構造をしていました。

三菱電機の塚口工場は阪急電車の神戸線(国鉄をオーバークロスするために高架でした)の車窓から塀の中がよく見えるので、構内に留置してあるバッテリー式凸型電気機関車や様々な大物車を眺めて楽しんでいました。ある日シキ120Bが構外の側線に引き出されているのを発見して、すぐに引き返して撮影したものです。

シキ130

1975/6/6常磐線石岡駅で撮影した100トン積分割落し込み式大物車シキ130形シキ130です。東芝が1953年に日本車輌で製作した日本で始めての落し込み式大物車です。このタイプの荷受梁のメリットは荷役時に梁の中間部分を分解すれば、重い貨物を吊り上げることなく積込や荷降ろしが出来ることです。

シキ610

1970/7/12東海道本線西宮駅で撮影した240トン積吊り掛け式大物車シキ610形シキ610です。シキ610形は1962年から1976年にかけて5両(シキ610〜614)作られましたが、中間の荷受梁は7組作られています。荷受梁の構造は初期のもの(例は写真2)とは異なっていて、鋼板を組み合わせて作られています。

シキ610はとにかくでかい! 国鉄西宮駅プラットホームはなぜか巾があったので、大阪方の端のほうで後ずさりしながらの撮影です。当時は広角レンズは35mmのf3.5しか持っていなかったので少し苦しい撮影でした。

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