古い車輌の写真

近鉄養老線 5 小型電車 1

ク5411

RP137 Web#=244 掲載2008/11/21

写真1は1976/1/15に西大垣駅で撮影したものです。プラットホームに置かれた荷物に注目してください、電車で荷物輸送していました。

1913年に開通した養老鉄道が1922年に揖斐川電気と合併し、翌1923年に桑名〜揖斐間の全線を1500Vで電化した際に作られた木造電車です。当初は1形と称し、集電装置には多に他に類を見ないほど巨大なパンタグラフを使用していました。両運転台で長さが15m、片側に荷物室用の扉が1箇所と客扱用の扉が2箇所ありました。地方の私鉄では、現在の宅急便サービスのような役割も持っていて、このような荷物室を持っている合造車がたくさん作られていました。

写真2はモ5651形と並んでいる背の低いク5411、1976/1/15近鉄養老線西大垣検車区にて。
写真1と写真2で見られるように、元揖斐川電気の電車はとても小さな断面を持っていました。写真1では後に連結している電車のヘッドライトが手前の元揖斐川電気の電車の屋根の上に見えています。写真2では屋根の高さの違いがよく分かります。

これらの電車は近鉄でモニ5001形に改称され、1955年に鋼体化、1964年に荷物室を撤去し片運転台化されました。

モ5042

写真3は養老線の途中の駅で撮影したモ5042を先頭とする列車です。このように2輌共が元揖斐川電気の電車だと背丈の違和感を感じません。

このモ5042はヘッドライトがシールドビーム2灯に改造されています。廃車は当分先だったのでしょう。

ク5414

養老線で活躍していた元揖斐川電気の小型電車は2種類の正面がありました。写真4のク5414は、リベットだらけで丸みを帯びた3枚窓の正面を持つタイプでした。

このク5414はヘッドライトが原型のままです。廃車も近いのでしょうか。

モ5012

もう一つの元揖斐川電気の小型電車は写真5のモ5012のように、Hゴムで保持されたフラットな2枚窓の正面を持つタイプでした。このモ5012は廃車となって途中の駅の側線に留置(放置?)されていました。

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