古い車輌の写真

近鉄養老線 4 デ12、31、61

デ12

RP136 Web#=243 掲載2008/11/20

伊勢電気鉄道が1928年にENNGLISH ELECTRICで製造した36トン箱型電気機関車で、出力は440KWでした。当初は511と512と呼ばれていましたが、近鉄時代にデ11とデ12に改番されました。養老線で長く使われ、1983年に廃車されました。

私鉄でイギリス製の電気機関車は珍しい例でしょう。正面が左右非対称になっています。

デ61

1927年に大阪鉄道が、車体と機械部分を三菱造船、電気部分をアメリカのWESTING HOUSE(WH)で4輌製造した凸型電気機関車で、自重35トン出力は388KWでした。当初はデキA形1001〜1004と命名されましたが、後にデ61型で61〜64と改番されました。

当初は南大阪線に配属されていましたが1970年代に61と62が養老線、63号機が一時伊賀線に移りましたが、南大阪線に戻って64号機とともに使われていました。1983年から廃車が始まっています。

デ61形は1927年に4輌も作られましたが、出力は500KW弱(約650HP)でした。1934年に国鉄の本線貨物用電気機関車EF10が作られましたが、自重98トン出力は1350KW(約1800HP)でした。したがって私鉄のローカル線でもかなり強力な機関車を準備したことで、当時の貨物列車の盛況を伺うことができます。

デ31

近鉄が1948年に三菱重工で3輌製造した40トン、出力512KWの箱型電気機関車です。デ31は伊賀線、デ32は名古屋線、デ33は南大阪線に配属されて貨物輸送に活躍しました。その内でデ31は1971年、デ33は1964年に養老線に転属してきました。後にATS取り付けやヘッドライトの2燈式シールドビーム化、入換作業用のステップ追加などが行われました。其の後養老線の貨物営業廃止により除雪用として働き、2000年廃車解体されました。名古屋線に残ったデ32は養老線のデ31,33と同じ様に改造が行われました。残るデ32は1959年の名古屋線改軌時に広軌化され、デッキの手すりが追加されました。1983年に廃車されて車籍を失いましたが、塩浜検修車庫の構内牽引車となって今も使われています。同じ頃に同型の大井川鐵道E10形や 神戸電鉄700形が作られています。EF15を短縮したような大人しいデザインを持っています。
       前のページ 次のページ