古い車輌の写真

西日本鉄道 15 宮地岳線 1

貝塚駅

RP235 Web#=385 掲載2009/9/26

写真1はモ1とモ2、1976/3/27西鉄宮地岳線貝塚駅にて。後方の改札口の外側は福岡市内線の駅です。

西鉄の宮地岳線(現在の貝塚線)を語る上で忘れてはならないのは、その前身の博多湾鉄道汽船(通称が湾鉄)という会社です。福岡県北部の炭田と西戸崎に建設された石炭積出港を結ぶために1900年に博多湾鉄道が設立されました。免許はたくさん申請されましたが開業に至ったのは粕屋線西戸崎〜宇美間(現在のJR香椎線)と貝塚線新博多〜津屋崎間(現在の西鉄貝塚線)だけでした。

写真2はモ5、1971/5/2西鉄宮地岳線にて。

博多湾鉄道は1904年に最初の区間粕屋線西戸崎(サイトザキ)〜須恵間を開業しました。1920年に海運業に参入し社名が博多湾鉄道汽船になりました。1924年に福岡市内の路面電車とつながるターミナルの新博多駅から和白駅(ワジロ)まで開業、1929年までに津屋崎軌道を買収し全線を1500V電化しました。1942年に戦時体制で陸上交通事業調整法により九州電気軌道に合併され、西日本鉄道となりました。

写真3はモ6、1971/5/2西鉄宮地岳線にて。

1954年に西鉄博多駅(元新博多)〜西鉄多々良駅(現在の貝塚)が600Vの4フィート8 1/2インチゲージ(1435o)に改軌され、市内線と直通になりました。1979年に福岡市内線廃止に伴い千鳥橋(元西鉄博多駅)〜貝塚駅が廃止、ついで2007年に西鉄新宮駅〜津屋崎駅間が廃止になりました。

写真4はモ2、1971/5/2西鉄宮地岳線にて。

写真で見られるように西鉄宮地岳線は海と白い砂浜、長く続いている松林に囲まれた気持ちの良いローカル線でした。撮影した当時は単行の列車も多く、車内からどの方向を見ても涼しそうな松林の緑が目に入りました。

写真5はモ5、1969/9/21西鉄宮地岳線にて。

宮地岳線にはあちこちから集めた中古電車が配属されていました。車輌の更新修繕も画一的なものではなかったし、更新修繕を受けていない電車も多く、次にどんな電車がやってくるのか楽しませてもらいました。エアコンなんていう洒落たものは無く、全開の窓からは涼しい海風が吹き込んで来ました。

写真6はモ7、1971/5/2西鉄宮地岳線津屋崎駅にて。

宮地岳線1959年まで貨物営業を行っていました。この津屋崎駅の構内が広いのも貨物列車の入換や荷扱いのためでしょうか。

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