古い車輌の写真

岡山臨港鉄道 1

キハ3001

RP268 Web#=432 掲載2010/1/11

写真1はキハ3000形キハ3001、1962年頃岡山臨港鉄道大元駅にて。

中国鉄道(現津山線)が1937年の大阪の加藤車両に発注したガソリンカーが前身です。1944年に国鉄に買収されましたが戦争による燃料統制で放置されていたものの払い下げを受けて、1951年に広島中国工業でディーゼルカーに更新改造が施されました。

キハ1003

写真2はキハ1000形キハ1003、1975/5/26岡山臨港鉄道南岡山車庫にて。

これは当初常磐炭坑が専用線で社宅から炭坑まで従業員輸送に使うため、宇都宮車両で1952年に製造したもので、岡山臨港鉄道には1959年に譲渡されました。写真で見られるように長さ12.2mという小型車ですが、張上屋根の近代的な車体を持っていました。この写真を撮った頃の主力は江若鉄道から来たキハ5001と5002で、キハ1003は予備車として車庫建屋の最奥で休んでいました。1984年に紀州鉄道に売却されましたが、予備車のまま一度も営業に就くことなく2000年にふるさと鉄道保存協会に譲渡され、有田鉄道の金屋口駅跡にある車庫で保存されています。

キハ5002

写真3と4はキハ5000形キハ5002、1975/5/26岡山臨港鉄道南岡山車庫にて。

この車の前身は江若鉄道が1937年に日本車輌本店で3輌新造したC9形キニ11〜13の内のキニ12です。これはその頃流行した半流線型で17.8mもの長い車体を持つ当時としては大型の荷物室付ガソリンカーでした。

前頭部分は京阪電車の60形に準じた半流線型で、ヘッドライトは流線形のケーシングに収められていました。岡山臨港鉄道に来たのは1970年で、ヘッドライトは四角いケーシングにシールドビームが収められたものに換装されています。

ガソリン・エンジンはGMF13(100hp)と同形の非力なものが搭載されていましたが、2度の換装で強力(170hp)な標準型エンジンDMH17Bを搭載するようになりました。この際排気管の容量が不足していたために浜大津側妻面左隅に床下から屋根上まで伸びるカバー付きの排気管を取り付けるという無茶な改造工事が行われ、せっかくの流線型車体は台無しになってしまいました。

江若鉄道 キニ13

1968/12/25江若鉄道にて撮影。

当時関西学院大学の学生だった私は所属していた鉄道研究会の上部団体である関西学生鉄道研究会連合主催の江若鉄道見学会に参加しました。寒い比良山下しが吹きすさぶ年末、琵琶湖畔の小さな交換駅でキニ13を撮影しました。これと岡山県で再会できるとは!

江若鉄道時代には排気管が妻面に取り付けられていましたが、岡山臨港鉄道では取り除かれたようです。

岡山臨港鉄道では1973年に乗客の減少に伴い旅客列車が一日4往復に削減されました。1975年には新しく高校が開校されたために一日12往復に増便されましたが、1978年にまた削減されています。このような小型のディーゼルカー1輌で間に合っていました。この後に倉敷市交通局からやや大型のディーゼルカーが購入されました。
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