古い車輌の写真

岡山臨港鉄道 2

101

RP269 Web#=433 掲載2010/1/14

写真1と2は岡臨100形101、1975/5/26岡山臨港鉄道南岡山車庫にて。

1951年の岡山臨港鉄道開業に備えて汽車会社で新造された20tの小型機械式ディーゼル機関車です。エンジンはディーゼルカーによく使われていた150hpのDMH-17で、ジャックシャフトによるサイドロッド伝動でした。次の102が入線するまでの2年間はたった1台(検査や修繕は夜間!)で奮闘していました。予備機として7号蒸気機関車が有ったのですが、ほとんど使われずじまいでした。

この機関車はホイールベースが2.2mしかなくて、国鉄の線路には乗り入れることができませんでした。国鉄の規則は最短でもホイールベース3mを求めています。

ご覧のように後の汽車会社のディーゼル機関車と異なり、工業デザインを無視したゴツい無骨な機関車でした。ディーゼル機関車としては初期の作品だったためか、デザイン云々する余裕が無かったのでしょう。

102

写真3と4は岡臨100形102、1975/5/26岡山臨港鉄道南岡山車庫にて。

1953年に同じ汽車会社で増備された20tの小型液体式ディーゼル機関車です。エンジンは標準型150hpのDMH-17でしたが、今度はリスホルムスミス式のトルクコンバーター式となりました。依然としてホイールベースは2.2mのままで、国鉄の線路には乗り入れができませんでした。101と同じようにジャックシャフトによるサイドロッド伝動でした。

このディーゼル機関車のボンネットが高いのは、背の高い初期の鉄道車輌用エンジンを収容するためです。

キャブの隅に小さな丸みを付けるという手法で、スマートなデザインになりました。模型という面から見ると、やや厳めしいデザインですがジャックシャフトによるサイドロッド伝導も模型的には面白く、レイアウトのヤードに1台持っていたいものです。

ワフ1502

写真5はワフ1500形ワフ1502、1975/5/26岡山臨港鉄道南岡山駅ヤードにて。

この貨車の経歴は1928年鉄道省の大井工場で作られた15t積車運車クム1形にまで遡ります。昭和天皇の即位大典のために御料馬車を汐留から京都まで輸送するために作られました。クム1形は屋根が高い外は一般的な鋼製有蓋貨車と同じ外観です。1931年に鉄道省の大井工場で10t積活魚車ナ10形に改造されました。1962年に国鉄から払い下げを受けて大鉄工業でワフ1500形ワフ1501と1502に改造されました。ワフに改造されても車運車起源の高い屋根は残されていました。

写真6は1962年頃岡山臨港鉄道大元駅。

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