古い車輌の写真

近鉄 貨物電車 5 2820,2830

2821

RP515 Web#=760 掲載2012/7/31

写真1〜3はモワ2820形2821、1970/1/24近鉄大阪線高安工場。

1922年〜1923年に大阪電気軌道(大軌)は川崎造船所、日本車輌製造、藤永田造船所で木造のタマゴ形電車デボ61形を61〜102の42輌製造しました。
1936年に63と67が事故により廃車。その後67の車体と他の余剰の台車や電装品を利用して高安工場で構内入換用牽引車が作られ、当初は無番号でした。



旧大軌デボ61形67の車体の所謂タマゴ形5枚窓運転台部分を撤去してオープンデッキとなっていました。
1959年モワ1850形となり、後にモワ2820形モワ2821となりました。
1965年モワ80形85と改番されたことになっていますが、現車は写真の通り2821の標記のままでした。
1976年廃車となりました。

写真を撮影したころの木造車体は薄い灰色一色に塗装されており、アンチクライマーの黄色と黒の虎縞模様、安全標語と緑十字マークなどで、本当に正式な車籍を保有しているのか疑問に思われました。

2831

写真3はモワ2830形2831、1970/1/24近鉄大阪線高安駅留置線。

1930年大阪電気軌道(大軌)は木造有蓋電動貨車デワボ1800形1800と1801の2輌を製造しました。これは桜井線(後の大阪線の一部で1500V)延長に伴うもので、木造車体の鋼製車体への載替工事を推進していた奈良線用(600V)デボ61形のうちデボ78と79の旧車体を流用、これに新製した1,500Vの電装品を組込んで作られたものです。複電圧仕様の便利な有蓋電動貨車として長く活躍しました。
1941年に参宮急行電鉄と大阪電気軌道が合併して関西急行鉄道へ改組された際の形式称号整理でモワ1800形1800と1801に改番。
1949年1801が電動貨車から荷物電車へ改造。1951年1800も同様に改造、両車とも貨車標準色の黒から当時電車標準色であったダークグリーンに変更。
1963年近鉄は形式称号を改正して0起番のナンバリングを1起番に変更、モワ1800形1800と1801はモワ2830形2832と2831へ改番。
1967年と1968年に老朽化した車体を1928年川崎造船所で製造された元奈良電鉄デハボ1000形で後の近鉄モ430形450と448の車体へ置換。
1970年にモワ2831と2832はモワ80形83と84へ改番。
1976年どちらも廃車。