古い車輌の写真

山陽電鉄の併用軌道区間

RP066 Web#=122 掲載2008/5/7修正1 2010/11/18

神戸高速鉄道が開通するまでは山陽電鉄の神戸側ターミナルである電鉄兵庫駅から長田駅までの1.5kmは広い国道28号線の上を走る路面区間でした。ご覧のように小型車から大型車までゴロゴロと併用軌道を走ってきます。20メートルもあるロクサン電車700型もここを走っていました。

この写真を撮影したのは1967/4/21、ついこの数年前のような感じがするのは私がGさんになった証拠かな? 40年前にしても車が少ない、当時は自家用車!は贅沢品でした。普及率で言うと今のベンツやBMWあたりと同格でしょう。道路上にクルマの姿も少ない時代だから認可が下りたのでしょう。もしこの区間が併用軌道のまま残っていたら?電車は身動きが取れない? このような光景が残っておれば同業者が押し寄せて大変かな?

大都会の真ん中にある便利なターミナル駅から、大きな道路に敷設された併用軌道区間に直角に出て行き、郊外で専用軌道区間に入ってから高速で飛ばしていくという運行形態はアメリカのインターバンでよく行われていました。このようなインターバンの電車は高床でゆったりとした大型車が一般的でした。

神戸市電との平面交差

長田駅の兵庫寄りには神戸市電12の記事で紹介した神戸市電上沢線との平面交差がありました。使用電圧が違うので双方とも架線はデッドセクション(死電区間)となっていて、どちらの電車も主幹制御器を切り惰性で通過するようになっていました。

1968年4月の神戸高速鉄道開通により、長田駅は高速長田駅、電鉄兵庫駅は大開駅が代替駅となって廃止となりました。

京阪電鉄の60形

他にもあった地方鉄道用の大きな電車が併用軌道を走る例を紹介しましょう。京阪は太平洋戦争前の一時期に、本線と京津線を相互に乗り入れるために60形を就役させました。併用軌道区間で使う低い扉と、本線で使う高い扉を持つ連接車でした。当時の京津線はトロリーポールで集電していたため、屋根の上にはパンタグラフとトロリーポールが搭載されていました。今では同じ様な運行形態で800形という大きな電車が4輌固定編成で同じ区間を走っています!!1977/4/8四宮車庫にて撮影。

福井鉄道の併用軌道区間

福井鉄道の基点である福井駅前は併用軌道区間でした。写真でご覧のように地方鉄道用の大きな電車が2輌連結で堂々と道路の真ん中に設けられた安全地帯(低いプラットホーム?)に停車して客待ちしています。今は名鉄の軌道線で使われていた路面電車に置換(本線も含めて)られています。1973/6/3福井駅前にて撮影。

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