古い車輌の写真

長野工場の収穫 2 試作振子電車

試作振子電車

RJ036 Web#=127 掲載2008/5/12

クモハ591形は曲線区間のスピードアップを狙って試作された電車ですが、登場当初はアルミ合金製3車体4台車の連接構造の交流直流両用電車でした。国鉄の振り子電車は小田急でテストされた強制振り子式ではなくて遠心力で車体を傾ける自然振り子式でした。1971年に連接車から通常の2輌連結の電車に改造されました。改造は中央の短い車体を廃棄し、アルミ合金の車体に鋼製の車体(長さ3m分)をボルトでつないで延長するというものでした。

クモハ590

写真はこの2輌連結(17mX2)に改造された後の1972/5/24に長野工場で撮影したものです。写真でご覧のように信越線や中央本線での試験に備えて改造中のためか台車が取り外されています。高い運転台を持つ側はクモハ590と命名されていました。

この見上げる角度で眺めてみると、えらく丸々としてデザインに驚かされます。客室部分が低く狭く作られているためでしょうか。実用化された381系振子電車に乗車した時も、車内(特に床が)が低い印象が残りました。

クモハ591

低い運転台を持つ側はクモハ591と命名されていました。どうもへそ曲がりなサイト・オーナーはこちらの方のデザインが好みです。

新婚旅行の最中にこの電車を見つけ花嫁をホッタラカシで撮影したために、後々まで高いものに付きました。

台車には移動心皿方式と自己操舵方式、サイリスタによるチョッパ制御方式、常用発電ブレーキ、車体の傾きと関係なく軌道の真上に保持する機構を持った下枠交差式パンタグラフと盛りだくさんの新しい技術が試験されましたが、実用車の381系で採用されたのはコロ式の自然振子装置だけでした。

       前のページ 次のページ