古い車輌の写真

釜石線のD50

D50 250

RJ038 Web#=129 掲載2008/5/15 修正2 2010/7/26

大学の鉄道研究会で夏の合宿が東北地方で開催された時の写真です。1966/8/4に東北本線の花巻駅に降り立ちました。この日は私の単独行動で、主たる目的は馬面電車で有名な花巻電鉄の訪問でした。セミスチールのウマが2頭(2台)、プラットホームから細い軽便電車が眺められるので、D50という古い本線の蒸気機関車が待機していてもマジメに眺めておれませんでした。

このD50 250が牽引する貨物列車は東北本線ではなくて、支線の釜石線です。釜石線は宮沢賢治の小説「銀河鉄道」のモデルになった岩手軽便鉄道の路線でした。エスペラント語を愛した宮沢賢治にちなんでJR東日本の釜石線全駅と山田線の駅のうち、釜石駅から浪板海岸駅までの各駅にエスペラントによる愛称が付けられています。花巻駅はĈielarko(チェールアルコ:虹)、終点の釜石駅はLa Oceano(ラ・オツェアーノ:太洋)です。

貨物列車を牽引して急行列車(キハ55あたりでしょう)を退避しているところです。釜石線や大船渡線の周辺でよく使われていた独特の形のクルクルパーが乗っかってます。また当時の貨物列車にはプレスの妻板を持つ新型貨車(ワム60000,70000,80000)の割合が少なくて、なかなかいいものです。貨車も雰囲気作りには重要な役割を演じています。

岩手軽便鉄道は花巻から民話の古里である遠野駅(エスペラント語の駅名はFolkloroフォルクローロ:民話)を経由して仙人峠(この駅は改軌の時に廃止)まで65.4Kmという長距離の路線でした。太平洋戦争のために改軌が遅れ、国鉄最後の軽便線となりサイト・オーナーの好きなアメリカ製(ボールドウィン)のC形タンク機関車(元満州鉄道安奉線)ケ231形が活躍していました。

       前のページ 次のページ