古い車輌の写真

井笠鉄道 5 ディーゼルカー

ホジ7

RP071 Web#=138 掲載2008/5/26

写真1で車庫の建屋から顔をのぞかせているバケットカーはホジ7です。この車のようにヘッドライトが幕板の中央に取り付けられていると古い印象を与えますね。正面窓の上の小さな庇、自転車や木箱を積み込むための荷台と、荷台の下に顔をのぞかせているラジェーター(前後にありました)がチャームポイントです。現役のディーゼルカーは真紅一色でしたがこの車は客車と同じ緑と黄色の塗り分けで、結構似合っていました。

井笠鉄道では1927年に小型の単端式自動客車の導入し、フリークェントサービスにより集客に成功しました。その後でトラック用のフォードのエンジンと変速機を搭載した本格的な大型の2軸ボギー自動客車を導入しました。当時はこのような車輌の技術が確立されていなかったので、縁の深かった日本車輌のような大手企業ではなくて堺にあった梅鉢鉄工場に発注し、竣工は1931年です。太平洋戦争の後1949年に代用客車となっていたこの車の主要な部分品を交換し車体に大修繕を加えて再度就役しました。この工事はディーゼルエンジンへの交換、台車のホイールベース延長、車体更新という新製に近い大規模なものでした。

ホジ1

これは1961年に導入されたホジ1〜3の中のトップだったホジ1です。当初はホジ7などと同じ湘南形(クハ86に似ている)の塗装でしたが、後に真紅一色と白線に塗りかえられています。緑の豊かな田園風景によく似合う色でした。

ホジ3

これは1961年に導入されたホジ1〜3の中のラストだったホジ3です。ホジ3号は廃止後下津井電鉄に譲渡され、今も旧下津井駅で保管(非公開)されています。架線を撤去する作業用として購入されたようですが、井笠鉄道とは違って下津井電鉄は急勾配が有り、作業用の貨車を牽引できなかったようです。

ホジ3の正面ですが、運転台側の窓が一段引っ込んだ形になっています。ホジ100形は正面の窓が左右とも同じ形をしています。

ホジ102

これは1961年にホジ1〜3と同時に導入されたホジ100形2輌の中のホジ102です。井笠鉄道は急な勾配区間は有りませんでした。客車には優秀なローラーベアリングを装備していたので、係員一人で押して移動させることが出来ました。そのためそれほど強力なエンジンを積んでいるわけでも無いのですが、この真紅の小さなディーゼルカーは満員の乗客を乗せた客車を牽引して軽やかに走っていました。

僚車のホジ101は井原市笹賀町にある経ヶ丸グリーンパーク(子供の村)に保存されているようです。

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