古い車輌の写真

井笠鉄道 6 オープンエンドの客車

ホハ8

RP072 Web#=139 掲載2008/5/27

1970/5/10に井笠鉄道籤場車庫で撮影した3号形客車ホハ7〜9の内のホハ8です。ちょうど沈みかけた夕陽が木造の縦羽目に反射して綺麗でした。シンプルなデザインのデッキ、ブレーキハンドル、ダブルルーフに2台搭載されたトルペード型ベンチレーター、縦羽目のサイド、キングポスト、朝顔形連結器、尾灯と、まァ〜軽便鉄道の客車が備えるべき魅力のほとんどを持っていました。あとはダブルルーフに社紋が付いたガラスの嵌った採光窓がほしいですね。

ホハ8は井原市笹賀町にある経ヶ丸グリーンパーク(子供の村)でホジ101と共に保存されています。

ホハ11

1970/5/10に井笠鉄道笠岡駅で撮影した5号形客車ホハ11、12の内のホハ11です。こちらは薄いシングルルーフですが、多分雨漏り対策だったのでしょう。極めて低いプラットホームと充分に入ったバラストに注目してください。

ホハ11は福山市神辺町にある太陽保育園で保存されているようです。

ホハ12

1970/5/10に井笠鉄道笠岡駅で撮影した5号形客車ホハ11、12の内のホハ12です。

ホハ12は福山市新市町の新市クラッシックゴルフで3号蒸気機関車と共に保存されています。

ホハ12は写真でご覧のように、デッキの柵になかなか綺麗な装飾が入っていました。このようなオープンエンドの客車のデッキで初夏の微風に吹かれながら、若緑色の田園を走るのはさぞや爽快なことだったでしょう。

それにしてもこのような開放的な構造でもよかったんですね。今では安全の観点から到底許可が下りなかったでしょう。

井笠鉄道にはこのようにたくさんの木造客車が在籍していました。真っ赤に塗装されたホジ1型やホジ100型に1〜2両だけ牽引されるという運用でした。客車の塗装は緑色と黄色という湘南電車そのもの(都会に対する憧れでしょうか)でした。

ここの客車はその古典的なデザインから想像が付かないのですが、軸受けにローラーベアリングを採用すると言う先進的なところがありました。そのため1両だったら一人の係員が手で押して入れ替えができるというすばらしい走行性能を持っておりました。

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