古い車輌の写真

花巻電鉄 2 電気機関車

EB61

RP078 Web#=145 掲載2008/6/10

花巻の車庫の裏手に回ると古い小さな電気機関車が2輌放置されていました。こちらは1924年の鉄道線開業に際して新造された日本車輌製の6t機関車です。当初は単に1と称されていましたが1941年にEB61に改番されました。これは有名な仙台鉄道管理局が出した通牒に従ったものと思われます。Eは電気機関車、BはB型(動輪2軸)、6は機関車の重量です。

背がとても低く(つながっている有蓋車と比べてみてください)、巾も狭いものなので、鉱山や炭鉱の坑外でトロッコの入換用に設計された電気機関車ではないでしょうか。キャブの前面窓が長円形をしているのは、ドイツ製小型蒸気機関車の影響を感じます。トロリー・ポール集電でしたが、屋根の上は空っぽでした。ボンネットのルーバーの下にとても立派な日車の銘板が見えます。

EB62

もう1台の電気機関車は、EB61と同じ規則で命名されたEB62です。1921年の日本車輌製で下野電気鉄道(現在の東武鉄道鬼怒川線の一部)から、戦後に購入された6.5tの小型電気機関車です。こちらもトロリー・ポールをはずされてから久しいようです。

普通のトラック程度しか積めない軽便鉄道の貨車では貨物営業も無理があったのでしょう。ごく少ない貨物は電車が有蓋貨車1輌を牽く混合列車で充分でした。もうこれらの電気機関車は出番が有りませんでした。

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