古い車輌の写真

南海電鉄の貨物列車 1

天王寺駅にて

RP087 Web#=154 掲載2008/6/19

南海電車は他の在阪私鉄とは異なって国鉄と同じ3フィート6インチのゲージで営業しています。これは1885年開業と私鉄としてはとても古い歴史を持ち、通勤客輸送に特化する前の地方交通機関としての歴史が長かったので国鉄との直通貨物輸送にも力を注いでいました。

開業当初は釜石鉱山鉄で使われていた2フィート9インチゲージのシャープ・スチュワート製蒸気機関車で営業していましたが、まもなく日本の標準ゲージである3フィート6インチに改軌し国鉄との直通貨物輸送を始めました。ピッツバーグの1-C-1タンク式蒸気機関車などが使われていましたが、電化に伴い独特の形態をした南海型電気機関車を多数擁していました。

写真1はその南海型電気機関車である5130と5131の重連が堺東駅で入換作業をしているところ、撮影は1970/11/3です。貨物営業も末期なのですが、このような長大な貨物列車もありました。

写真2は最新鋭凸型電気機関車である5201と5202の重連が短い貨物列車を牽いて堺東駅に到着したところです。列車の末尾は南海名物のワフです。南海電鉄は通勤電車がたくさん運転されているので、ダイヤを維持するために貨物列車も高速で運転することが要求されました。そのため末期の全ての本線貨物列車は、電気機関車を常に重連で使用していました。

写真3は東芝製40トン戦時標準型の5151です。単機で停まっているのは堺東駅での入換仕業に就いていたからでしょう。

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