古い車輌の写真

石炭車

貝島炭鉱 ト3

RJ047 Web#=175 掲載2008/7/9

とある方から石炭車の記事のリクエストがありました。鉄道は営業を開始した頃から、貨物営業が無くても自社の蒸気機関車に使うための石炭を運ぶという仕事が始まりました。最初は写真1のような普通の無蓋貨車が使われていたようです。これは九州の福岡県で稼行していた貝島炭鉱で永らく使われてきた汎用の無蓋車ト3です。ここでは保線用のバラストや枕木、坑木などの運搬に使われてきました。国鉄の標準型無蓋車は改良の結果、ほとんどが木製の車体に変わりました。全鋼製の無蓋車は古い設計によるものです。

貝島炭鉱 ト4

石炭は線路で使うバラスト(砕石や川砂利)よりも比重が軽いものです。したがって写真1のト3のような背の低い側板よりも、この写真2のト4のような背の高い側板に改良されました。ト3もト4もバッファーの痕跡や軸受けの簡単な構造などから、かなり古い(おそらく創業以来)の貨車と思われます。

貝島炭鉱 ロト12

普通の無蓋車よりも積載効率の高いホッパー車が開発されました。写真3は貝島炭鉱で活躍していたロト12ですが、初期のホッパ−車はこんな形態をしていたのでしょう。

この頃のロト車は石炭輸送の任を解かれて、砂の運送に使われていました。採砂場で砂を積んで、もう採掘されなくなった露天掘りの跡まで運んで埋め戻しを行う作業のためです。ここでは一部でまだバッファーとピン・リンク式連結器が使われていました。

貝島炭鉱 セム8

写真4は貝島炭鉱で活躍していたセム8ですが、元は国鉄の旧型石炭車と思われます。写真1〜4は1972/5/6貝島炭鉱専用線二坑機関区にて撮影。

ロセラ5440

国鉄標準型の2軸石炭車であるロセラ5440です。1969/9/20門司機関区で給炭台の横に停まっていた石炭車を撮影。ここでは一旦線路の下のピットに石炭を落としてから、バケットコンベアで給炭用の大きなホッパーまで運び上げられていました。

この石炭車は元来セムでしたが、後年になってホッパーの縁を嵩上げして積載量を増やしセラに改造されました。

ロセフ188

1972/5/4直方駅にて石炭列車の最後につながれていたロセフ188を撮影。

これはホッパーの縁を嵩上げして積載量を増やしセムフに改造される前の状態です。ロという記号は最高速度が65Kmに制限されている貨車という記号で、黄色の太い帯が車体に記されています。九州の石炭輸送に関連する地区だけに閉じ込められて運用されていました。

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