古い車輌の写真

仙山線 作並機関区 3 交流電気機関車

ED7014

RJ057 Web#=197 掲載2008/8/2

写真1はED7014、北陸本線田村駅側線にて1966/12/26撮影。このED70は1957年の北陸本線田村−敦賀間交流電化のために製造された初めての量産交流用電気機関車です。それまで仙山線で行われていたED45形による実機試験の成果として1957年に三菱電機と新三菱重工業によりED701〜ED7018、1959年に1輌ED7019賀追加され19両が製造されました。ずっと北陸本線で活躍し1975年までに湖西線に直通できる交直療養電気機関車EF81形によって置き換えられました。ED701は敦賀第二機関区に保存された後、滋賀県長浜市の長浜鉄道スクエアで静態保存されています。

ED7110

写真2はED7110、1966/8/3/仙台運転所にて撮影。このED71は東北本線の電化にあたり、北陸本線でED70の経験を元に作られました。東北本線の列車単位が大きいのでED70の1500KWでは不足だったので新に2000KWクラスの大出力交流電気機関車として作られました。1959年に3方式の変圧器と整流器を持つ試作機ED711〜ED713が作られ比較検討されました。その結果、ED711の振動に強いエキサイトロン整流器が採用され1959年〜1961年にED714〜ED7155が作られました。1963年に交流電気機関車の決定版ED75が開発、大量投入されたので、ED71は主に補機としての仕業に就いていましたが、1984年までに廃車となりました。ED711新幹線総合車両センターに保管中。37号機が東北本線船岡駅前に静態保存されています。

ED7571

写真3はED7571、1966/8/3/仙台運転所にて撮影。このED75は東北本線が平(今のいわき)まで交流電化したときから就役しました。交流電気機関車の決定版として1963年から1976年までに大量(302輌)に作られました。東北地区や常磐地区のほかに、北海道や九州も配属され、特急列車、普通列車、貨物列車といろいろな仕事に就いていました。1980年以降は一般貨物列車の削減、夜行客車列車の廃止、普通列車の電車化やディーゼルカー化、交直両用電気機関車EF81やEH500形の増備などで徐々に活躍の場を狭めてきています。ED751は新幹線総合車輌センターで、ED75501は小樽市総合博物館で、ED75775は鉄道博物館で保存されています。

ED931

写真4、5、6はED931、仙山線作並駅で1966/8/3に撮影。この電気機関車は1965年に作られた支線区用軽軸重(軸配置はB-2-B)の試作機です。大電力制御用シリコン整流器(サイリスタ)が実用になり始めた時期でした。磐越西線南部区間電化時に作られたED78形の先行試作機で、閑散交流電化区間の仙山線でテスト運用に就いていました。

量産はED77形となり15輌がつくられましたが、試作機のED931は量産機と揃える改造を受けED77901となりました。この改造は機器の統一もありましたが、車体正面に貫通扉をつけるという改造を受けたために、外観の印象がすっかり変わってしまいました。改造後は量産機と共通で使用され、1986年に量産機よりも早く廃車となりました。 量産機の方も支線区での軌道強化が実施されたために標準機ED75が運用可能になったので1993年までに廃車となりました。

このように仙山線の作並機関区は交流電化のテスト基地として大きな功績がありました。全国をつないでいる新幹線の基礎技術もここが発祥の地です。

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