古い車輌の写真

ワム 2 鋼製ワム

ワム20000形 ワム20369

RJ062 Web#=202 掲載2008/8/7

写真1はワム20000形ワム20369、1969/8/25東海道本線尼崎駅にて。

ワム20000形は1928年に車輌メーカー5社で合計500輌作られました。木造貨車の羽目板の隙間から雨水が侵入してくるのを防ぐために、鋼製車体のスム1形が作られました。ところがスム1形は木製の内張りが無かったので断熱性能に劣っていました。ワム20000形はスム1形に木製の内張りを追加した貨車です。外観はスム1形と全く同じで、チャンネル材にリベットだらけの古典的な車体を持っていました。

ワム21000形 ワム21071

写真2はワム21000形ワム21071、1970/3/26東海道本線西宮駅にて。

ワム20000形は木製内張りが車体に直接取り付けられていたので遮熱性能が劣っていました。ワム21000形は木製内張りと車体の間に空気層を設けて熱が伝わりにくく改良した貨車です。1929年から1930年にかけて各車輌メーカーで1000両が作られました。扉にYを上下につないだような補強が入っているのが特徴です。

ワム50000形 ワム50472

写真3はワム50000形ワム50472、1970/4/19東海道本線山崎駅にて。

当時大量に作られていた鋼製ワム23000形を、戦時型設計として車体を木製にグレードダウンしたワム50000形は1940年〜1945年に渡って3645輌作られました。写真3のワム50472は後になって羽目板の隙間から雨水が侵入してくるのを防ぐために、車体の横羽目板が耐水ベニヤ板に張り替えられています。

ワム50000形 ワム52703

写真4はワム50000形ワム52703、1970/1/17東海道本線尼崎駅にて。

写真4のワム52703は製造当初の横羽目板を持つ原型車です

ワム70000形 ワム73973

写真5はワム70000形ワム73973、1970/1/17東海道本線尼崎駅にて。

ワム80000形初代試作車(後のワム89000形)でテストされたプレス製の妻板を採用した新型軽量構造の貨車です。1958年に日車で2輌試作され、1958年から1960年までに各車輌メーカーで合計5710輌が作られました。

ワム80000形 ワム186874

写真6はワム80000形ワム186874、1970/4/19東海道本線神足駅にて。

貨物を行って一定規格の台(パレット)に載せてから貨車にフォークリフトで運び込むという荷役方式に特化した貨車です。フォークリフトが車内に入り易いように側扉が全部引き戸になっています。量産車よりも少し小型で短い試作車が3輌作られ、その後に車体を大きく設計し直したワム80000形が全部で26605両も作られました。中には白い塗装の簡易冷蔵車、オートバイ専用車、ビール専用車、屋根が開く大型ガラス専用車などの物資別適合貨車も各種作られました。末期には木材チップ運搬用に屋根が切り開かれて無蓋車のような格好に改造されたものもありました。

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