古い車輌の写真

ワキ Vol. 1

ワキ1形 ワキ13

RJ066 Web#=206 掲載2008/8/13

写真1はワキ1形ワキ13、1970/9/6国鉄東海道本線京都駅にて。ワキ1形は特別小口扱貨物輸送に使用するために1930〜1940年に290輌製造されました。また1960〜1962年にレキ1形からの改造名義で100輌増備されています。車体はワム21000形と同じ様な構造ですが、側引戸が2ヶ所にあることや走行中に荷扱担当者が列車の荷物仕分作業けができる様に貫通引戸、渡り板が設けられていたこと、さらに通風採光用の側窓を備えていました。台車は旅客列車と同じ様に95km/hで走行できる高速台車TR-24を備えていました。ワキ1形は窓の数などから4つのグループに分けられますが、写真1のワキ13は最も初期のグループに属するものです。1971年から廃車が始まり1979年に形式消滅しました。
1946〜1950年には、38輌が連合軍指定専用客車となり、その内9輌は接収解除後にナニ6330形を経てナニ2500形荷物車(客車)に改造されました。また1967年には7輌が新幹線貨車935形に改造されています。

ワキ1000形 ワキ1179

写真2はワキ1000形ワキ1179、1969/3/8国鉄東海道本線西宮駅にて。ワキ1000形は1950〜1956年にワキ1型の増備車として4グループ740両が作られました。台車は安価なTR-41Bになったために最高速度は75km/hに下がりました。当初は室内灯も付けられていましたが、急行小口貨物列車専用から一般の貨車となったために取り外されています。1974〜1977年にかけて18輌が新幹線貨車935形に改造されました。1970年から廃車が始まり、1984年に形式消滅となりました。

ワキ5000形 ワキ5906

写真3はワキ5000形ワキ5906、1969/10/4国鉄東海道本線尼崎駅にて。ワキ5000形はワキ1形とワキ1000形の後継車として、ワム80000形パレット貨車の構造を取り入れて1965〜70年に1515輌製造されました。ワム80000形を大型化した車体を持ち、パレット荷役に適応するため側扉が総開き構造です。車体は側板、妻板共にコルゲートつきのプレス鋼板製でワム80000形と同じとび色塗装、屋根は丸屋根と三角屋根の2種類がありました。当初の台車は85km/hで走行可能なTR-63形を備えていましたが、のちにTR-220形を装備して作られたものもありました。1992年ごろからコンテナ化により急速に在籍数を減らし、今では救援車として2輌が残っているだけです。

ワキ9000形 ワキ9000

写真4はワキ9000形ワキ9000、1966/5/7梅田貨物駅における貨車展示会にて。国鉄がいろいろな貨物を鉄道輸送にシフトさせようとして特殊な構造の貨車をたくさん作っていました。ワキ9000形は水濡れを嫌う鋼材の冷間圧延コイルをクレーン荷役で屋根から積み込む貨車として1966年に2輌だけが試作されました。構造はワキ5000形を2.2m短縮して車内にコイル9巻き分の受台を設けたものです。登場した時は写真4のようにアルミの扉以外は青22号でしたが、後に車体全部がワム80000と同じとび色2号に塗装されました。あまりにも高価な貨車だったためか製造は2両だけに留まり、量産は古いトキ15000形を改造した安価なトキ21500形になりました。1995年には廃車となっています。

ワキ10000形 ワキ10000

写真5はワキ10000形ワキ10000、1966/5/7梅田貨物駅における貨車展示会にて。ワキ10000形は貨物列車の高速化に向けて1965〜68年度に合計191輌が製造されました。10000系高速貨車の一員で、最高速度は100km/hです。1965年に写真5のワキ10000が高速貨車の試作車として1輌製作され、翌年から量産されました。当初はコキ10000形コンテナ貨車と共に特急貨物列車の小口混載輸送に専属運用されました。1971年と1973年に59輌がワキ8000形に、1977〜1980年に25輌がワキ50000形に改造されました。また1985年からカートレイン専用車への改造が始まり、残りの未改造車は1986年に除籍されました。
ワキ10000だけは当初車体全部が緑2号でしたが、その後量産車に合わせて側扉がアルミ、それ以外が黄緑6号に変更されました。

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