古い車輌の写真

高松琴平電鉄 Vol. 12 1001、1002

1001

RP121 Web#=219 掲載2008/9/7

写真1は10000形1001、写真2は1002、1973/5/1仏生山車庫の留置線にて。

あちこちから中古車と中古部品を買い集めてきて趣味人を楽しませてくれた高松琴平電鉄ですが、この10000形1001と1002は珍しく前歴の無い新車として就役しました。琴平線の急行運転開始に備えて1952年日立製作所笠戸工場で新造されました。半鋼製の急行運転に特化した電車で、側面はノーシル・ノーヘッダー、前面のみ張り上げ屋根の2輌固定編成でした。線路の強度が充分でなかったために、モーターやパンタグラフ、主要な機器が2輌に分散搭載されて2両で共用するという当時としては画期的な構造でした。また日本で初めてのワンハンドル制御器を装備していました。どうしたわけか台車だけは営団地下鉄の1000形が台車交換を行った際に発生したイコライザー式の中古品が使われました。そのためにイコライザーに地下鉄特有の第三軌条用コレクターシューの取り付け跡が残っていました。

1002

この電車は「こんぴら号」と命名されて、琴平線の急行運用を主体に就役しました。1959年には固定クロスシートに改造されましたが、後の元のロングシートに戻されています。増備車である1010形「こんぴら2号」と共に、急行用として長く(20年以上)活躍しました。

急行列車の廃止と共に普通列車に使われるようになりましたが、特殊な制御機器を搭載しているために他の電車と連結することが出来ないためにあまり使われなくなりました。1980年に更新修繕が行われMMユニット編成から通常のMT編成に、制御機器の標準化(HL制御)が行われました。しかし元来高速運用を目的として設計されているので、持て余されている事態は相変わらずで、改造を重ねながら長く電車を使う琴電としては珍しく1986年に車齢34年で廃車解体となりました。

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