古い車輌の写真

阪急今津線 5 320形、380形

320

RP128 Web#=226 掲載2008/9/20

写真1は320形320、1965/4/1能勢電鉄平野車庫。

阪急電鉄320形は神戸の川崎車輌で1935年に12両(320〜331)が製造された全鋼製で長さが約15mの両運転台の小型電車です。神戸線用に登場した900形を小型化した好ましいスタイルで、続いて増備された380形や500形も同じ様なデザインです。台車は川崎車輌製のボールドウィンBW-78-25AAをデッドコピーしたものでした。大型車が運転できない宝塚線で永らく使われていましたが、1961年から宝塚線に就役した大型車1100系や2100系に押し出される形で支線の箕面線、伊丹線、甲陽線、今津線で使われるようになりました。

328

写真2は320形328、1965/2/1阪急電鉄西宮車庫。

今津線で500+300+500+320+320という編成を組んで活躍していた時代の写真です。サイト・オーナーが中学〜高校生の間に毎日のように眺めていた電車で、あまりにも身近だったために阪急時代のきちんとした形式写真を撮っていませんでした。

写真3は320形328、1978/1/16能勢電鉄平野車庫。

沿線の宅地開発に伴って人口増加の著しい能勢電鉄へ小型車が貸し出されました。まず19640年に330と331がトロリー・ポールを装備して入線試験を行い問題が無いことを確認してからいったん返却されました。1965年に320形12輌全てが能勢電鉄線に入線、1966年に使用が始まりました。

329

写真4は320形329、1967/4/16能勢電鉄平野駅。

両運転台の小型車320形は後で入線した380形、500形と共に2連や3連を組んで長く活躍しました。能勢電鉄では在来の木造車を一掃し主力車種の統一が出来ました。当初は阪急電鉄からの借り入れでしたが、1973年に購入の手続きが取られています。1983年以降は1500形への置き換えが始まり1986年までに全て廃車となりました。

383

写真5は380形383、1967/4/16能勢電鉄平野車庫。

阪急380形電車は320形の増備車として1936年に川崎車輌で6両(380〜385)が製造されました。車体は電気溶接のため屋根を除いてリベットの無い平滑な車体となり、ウインドシルも阪急初の平帯となりました。製造当初は住友金属工業製の鋳鋼台車H-44を履いていましたが、後に台車や機器を610系に譲り、51形から捻出されたボールドウィンBW-78-25AAを履くようになりました。320形と同じ様に今津線で活躍していましたが、大型車と置き換えられて休車となり能勢電気軌道の平野車庫に運び込まれて保管されていました。屋外に保管されていたために状態が悪く、再起できたのは383ただ1輌だけでした。1973年に能勢電鉄に譲渡、1979年に車体更新を受けて中間車化され500形と共に使用されていましたが1985年に廃車となりました。

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