古い車輌の写真

EC40

RJ076 Web#=239 掲載2008/11/11

写真1、2、3は10000形10000、1976/6/4国鉄信越本線横川駅にて。

国鉄のEC40形電気機関車は信越本線横川〜軽井沢間の碓氷峠が1912年に電化されたときに輸入されたアプト式電気機関車です。1912年にドイツのAEG(アーエーゲーですな)とエスリンゲン社(Esslingen)の合作で12両が作られました。当初は10000形10000〜10011と称していましたが、1928年にEC40型EC401〜EC4012に変わりました。

信越本線横川〜軽井沢間の碓氷峠は急勾配(66.7パーミル)の上、26箇所もの小さな断面のトンネルがあり、遅い運転速度と相俟って乗客乗務員ともに煤煙に苦しめられていました。電化当初の10000形は両運転台を装備した凸形の電気機関車でしたが、後に山側の運転台が撤去され蓄電池が載せられました。

トンネルの断面が小さかったために、本線上では線路脇に設けた第3軌条の下側に接触する集電靴(コレクター・シュー)から電気を取っていました。横川駅の構内などでは当初はトロリー・ポールで集電していましたが、後にパンタグラフに取り替えられました。

10000として旧軽井沢駅舎記念館に静態保存されているのは京福電鉄福井支社でテキ511として活躍していた電気機関車です。

写真4と5はテキ511形テキ512、1973/6/3京福電鉄福井支社福井口車庫にて。

老朽化と後継機であるED42形の就役とともに、1936年全車が廃車されました。1941年に4両が京福電気鉄道に払い下げられ、そのうち2両が、同社のテキ511、テキ512となって京福電鉄福井支社の越前本線や三国芦原線で使用されました。京福電鉄入線に際してラック関係の機器が全て取り払われ、片側のボンネットを撤去した跡には入換作業用のデッキが設けられました。

このうちテキ511復元保存のために国鉄に譲渡され代わりのテキ531(元国鉄ED2811)が国鉄から譲渡されてきました。残るテキ512は1970年で廃車となりました。

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