古い車輌の写真

近鉄 伊賀線 3 電気機関車

デ1形 デ8

RP153 Web#=278 掲載2009/4/19

写真1はデ1形デ8、1970/1/25近鉄伊賀線上野市駅にて。

1944年に近畿日本鉄道が発足した際、近鉄の前身となった様々な小型電気機関車を全てまとめてデ1形に統一しました。したがってデ1形は1〜9の9両が存在しますが、大きく4種類に分類されます。そのうちデ8と9は1926年に伊賀電気鉄道が川崎車両で製造したデ1, 2の後身で、箱型の車体の前後に小さなボンネットをつけた形が特徴です。近鉄ではデ1形デ8とデ9に改番された後も伊賀線で運用されたが、1975年に廃車されました。

デ31形 デ31

写真2はデ31形デ31、1970/1/25近鉄伊賀線上野市駅にて。朝日が昇ってすぐの撮影のため影の部分が真っ黒です。

近鉄が1948年に三菱重工で3輌製造した40トン、出力512KWの箱型電気機関車です。デ31は伊賀線、デ32は名古屋線、デ33は南大阪線に配属されて貨物輸送に活躍しました。同じ頃に同型の大井川鐵道E10形や 神戸電鉄700形が作られています。EF15を短縮したような大人しいデザインを持っています。

この写真は同じデ31を1976/3/21近鉄養老線西大垣駅にて撮影したものです。デ31形の内デ31は1971年伊賀線から、デ33は1964年南大阪線から養老線に転属してきました。後にATS取り付けやヘッドライトの2燈式シールドビーム化、入換作業用のステップ追加などが行われました。その後養老線の貨物営業廃止により除雪用として働き、2000年廃車解体されました。名古屋線に残ったデ32は1959年の名古屋線改軌時に広軌化されました。1983年に廃車されて車籍を失いましたが、塩浜工場の入替専用機となって今も使われています。

デ61形 デ61

この35トン電気機関車は大阪鉄道が1927年から1928年に新造したデキA形1001〜1004で、車体は三菱造船製、電装品はウェスティングハウス製です。車体の設計は当時のボールドウィン・ウェスティングハウス製輸入電気機関車を参考にしたものです。大阪鉄道が関西急行電鉄を経て近畿日本鉄道になった際に形式が変更されて、デ61形デ61〜64に改番されました。1947年にイコライザ式台車が近畿車輛のDT13形台車に取り替えられています。

長らく南大阪線で運用されていましたが、1970年と1971年にデ61と62が養老線に転属しました。1973年にはデ63が伊賀線に転属しましたが、1975年に元の南大阪線に戻され貨物列車のほか工事車両の牽引を行っていました。

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