古い車輌の写真

阪神電鉄 国道線 3

無番号の牽引専用車

RP159 Web#=292 掲載2009/5/15

写真1は浜田車庫で使用されていた無番号の牽引専用車、1973/6/10阪神電鉄国道線浜田車庫にて。1形のいずれかと思われます。

1927年の国道線開業時に1形1〜10が藤永田造船所、11〜20が田中車輛、21〜30が大阪鉄工所で、各々10両ずつ合計30両が製造されました。モーターを4台装備した31形とは違って、モーター2台の1形は支線区でよく使われていました。

1形は国道線の短縮やその支線の廃止などに伴い次々と廃車となりました。その中の1輌が浜田車庫で入換用に残されていました。番号の表記は失われており、車籍は失っていたようです。トロリーポールが残されているのに注目してください。

331形 368の木造車体

331形は1920年から1921年にかけて阪神電鉄が本線用に製造した木造車です。このグループには301形、311形、321形、331形で70輌が作られました。331形は1921年に331〜370の40両が田中車輌、藤永田造船所、野上機械、加藤車輌製作所、日本車両製造、汽車製造の6社で製造されました。

神戸市内に路線を延長するに際して岩屋〜三宮間を地下化することになりましたが、地下区間で木造電車の301形シリーズをそのまま使用するのは安全面で問題がありました。

そのためまだ新しい車体を、1931年から1935年にかけて鋼体化改造することとなりました。鋼体化に際して余剰となった車体は4両分が121形「アミ電」に、2両分が木南車輌経由で南武鉄道に売却されました。

この368の車体は車庫内において倉庫や詰所などに利用されたものの1台です。

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