古い車輌の写真

津軽鉄道 3

ナハフ1200形 ナハフ1201

RP162 Web#=295 掲載2009/5/19

写真1はナハフ1200形ナハフ1201、1966/8/5津軽鉄道津軽五所川原駅にて。

初代西武鉄道が、現在の新宿線高田馬場駅〜東村山駅間開業に合わせ1927年と1928年に川崎造船所で増備した車両で、モハ550形12輌とクハ600形8輌がありました。車体は17m級の全鋼製で、ウィンドシル・ヘッダー付、深い屋根と前面と側扉上のカーブになった雨樋、おわん形ベンチレーターが特徴のいわゆる川崎造船形電車でした。

ナハフ1200形 ナハフ1202

写真2はナハフ1200形ナハフ1202、1966/8/5津軽鉄道津軽五所川原駅にて。

1964年から1966年にかけて廃車となりましたが、20輌全部が地方私鉄に譲渡されました。津軽鉄道には1965年に1157、1155、1158の3両が譲渡され、運転台撤去の上客車化されてナハフ1200形1201〜1203となりました。1995年に1201が廃車となりましたが、残り2輌はまだ在籍して時折イベントなどで使われています。

オハ31形 オハ313

写真3はオハ31形オハ313、1966/8/5津軽鉄道津軽五所川原駅にて。

国鉄オハ31系は、構造が弱い木造客車で組成された特急列車が1928年に起こした事故で多数の死者が出たために、新造客車が全て鋼製となった第一陣です。当初はオハ44400形として512輌就役し、そしてオハ32000形に改番、最後にオハ31形となりました。

津軽鉄道にはオハ3126、51、75が1960年に払い下げられ、オハ311〜313となり1983年までストーブ列車で使用されていました。元国鉄オハ3126のオハ311が青森県金木町の芦野公園で保存されていましたが、2007年からさいたま市の鉄道博物館で国鉄時代の姿に復元展示されています。

DD350形 DD352

写真4はDD350形DD352、1966/8/5津軽鉄道津軽五所川原駅にて。

1959年新潟鉄工所製、220PSエンジン2台搭載440PSでB-B 35トンの標準型ディーゼル機関車、外形はDD351と同じです。この信頼性の高いディーゼル機関車2輌が就役したために、1952年製の愉快な形をした水色の箱型ロッド駆動C形ディーゼル機関車DC20形2輌がお払い箱になってしまいました。

DD350形 DD351

写真5はDD350形DD351、1966/8/5津軽鉄道五所川原機関区にて。

新潟鉄工所1957年製、180PSエンジン2台搭載360PSでB-B 35トンの標準型ディーゼル機関車です。当初は最初に導入したDC20形ディーゼル機関車が不調だったので、用心して出力を160PSX2台に落とした状態で竣工しました。1962年に新潟鉄工所で全般修繕を行うときに180PSX2台に出力を上げています。

この津軽鉄道は何度も災害に見舞われた不運な鉄道です。
1935年 8月21日 豪雨による築堤の流失。
1944年11月29日 大火のために本社、駅や車庫の建物が全焼。
1946年11月23日 再度の大火のために本社、駅や車庫の建物が再度全焼。
この鉄道は開業当初から東北地方を度々襲った冷害による地域経済不振で、ずっと困難な経営に悩まされていました。このために新しいディーゼル機関車やディーゼルカーの導入は困難を極め、新潟鐵工所以外の車輌メーカーには受注を断わられたようです。

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