古い車輌の写真

神戸港臨港線 東灘機関区 2

D51形D51319

RJ091 Web#=314 掲載2009/6/15

写真1はD51形D51319、1971/5/8国鉄神戸港臨港線東灘機関区にて。

3台並んでいたD51の真ん中は標準型のD51でした。このD51319は1939年に日立製作所で作られ、当初は岡山機関区、次いで金沢機関区に所属し最後は吹田第一機関区でヤードの入換作業に従事していました。廃車は1971年です。これも入換作業の時の見通しを良くするためにデフレクターを取り外した状態で永らく使われていました。

写真2と3はD51形D51319、1970/9/6国鉄福知山線川西池田駅にて。

この頃には福知山線には短い区間の貨物列車が運行されていて、吹田第一機関区に所属する入換作業用のD51が来ていました。写真でご覧のように低速で入換作業を行う時のキャブからの見通しを浴するためかデフレクターが取り外されています。

この頃の福知山線は大都市の近郊にも関わらず、のんびりとしたローカル線の趣を持っていました。写真には煉瓦の基礎に載った給水タンク、待機しているロコの陰に給炭台、そして草の生えている貨物側線と道具立てはそろっていました。少し先の宝塚駅から砕石プラントが設けられた惣川まで側線があり、D51の牽く「惣川工臨」と呼ばれる列車で線路用のバラストに使用される砕石が積み出されていました。1986年の複線電化で大都市の通勤電車区間の駅に大変身し、このような風情は全く失われました。

D51形D51863

写真4はD51形D51863、1971/5/8国鉄神戸港臨港線東灘機関区にて。

このD51863は1943年に鉄道省浜松工機部で作られ、当初は金沢機関区、次いで富山機関区に所属し最後は吹田第一機関区でヤードの入換作業に従事していました。廃車は1971年です。途中で戦時設計の状態が悪いボイラーを交換されています。これも入換作業の時の見通しを良くするためにデフレクターを取り外した状態で永らく使われていました。

この写真の角度から見ると、ドームが丸い標準型と戦時型(蒲鉾型)の中間の形をしているのが分かります。

ナンバープレートが失われ、メインロッドが取り外され、ヘッドライトがシールドビームに交換されている残念な姿でした。

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