古い車輌の写真

伊予鉄道 15 モニ30形

モニ30形 30

RP194 Web#=329 掲載2009/7/12 自作機最後のUpld

写真1はモニ30形30、1967/3/27伊予鉄道古町車庫にて。

30は1952年に自社工場で、廃車となった四輪単車のブリル21E型台車を使って組み立てられたものです。最初は木造の車体(と言っても1.5m角)でポール集電でしたが、後に写真で見られるような立派な鋼製の車体を作ってもらい、Z型パンタグラフを搭載するようになりました。

写真2と3は同じモニ30で1981年夏の撮影、伊予鉄古町車庫にて。

写真1から15年も経過していますが、変化はほとんどありません。強いて挙げれば、フロントデッキ?にレール用の継目板が錘として積込まれているぐらいでしょうか。

主要諸元を眺めていると、とても小さな電車です。長さは5.6m、荷重も自重もたったの2tです。残念ながらアントが導入されましたので、このかわいい構内牽引車は廃車となって、側線に端っこに放置されているようです。

モニ30形 31

写真4はモニ30形31、1981年夏の撮影、伊予鉄古町車庫にて。

これは元土佐電鉄の300形312号です。土佐電鉄は1954年に自社工場で7形の台車や機器を利用して、新造した車体に載せ換えて300形としました。その中の312が1971年に廃車となり伊予鉄道に譲渡されました。伊予鉄では車体を撤去して花電車の土台として就役させました。ところが花電車としての出番は多くなく、2006年には廃車解体となってしまいました。30と比べてこちらの方は出自がホンモノの市内電車だったためか長さ5m、自重と荷重5tと立派になっています。土佐電鉄の僚車で台車や機器が残っていた321は、1984年に古い車体に復元され「維新号」として土佐電鉄で人気を集めています

古町車庫の軌道線用部分

写真5は古町車庫、1967/3/27撮影。本線をはさんで右側が市内線の車庫、左側が工場と本線の車庫です。この古町工場は技術的な能力がとても高く、短い電車の車体延長工事、軽便鉄道用2軸客車2輌を組み合わせてボギー車とする工事や路面電車の客用扉の位置変更などの大工事をやってきました。そのころの地方鉄道は自社工場でいろいろな大掛かりな工事を手がけねばならなかったのでしょう。

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