古い車輌の写真

豊橋鉄道 7 渥美線 5

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RP213 Web#=359 掲載2009/8/19修正1 2009/8/20

写真1〜3はデワ10形11、1984/1/21豊橋鉄道渥美線花田貨物駅にて。

この電車の前身は1924年の渥美電気鉄道開業に際して、1923年に日本車輌で3輌新造した木造二軸単車のデハ100形101〜103です。1940年に渥美電気鉄道は名古屋鉄道へ吸収合併され渥美線となり、モ1形1〜3に改称されました。

1943年に戦時輸送のために電動貨車デワ30形31〜33に形式が変わりました。ただし小型車だったために貨物輸送には使われず貨車の入換作業に使われました。1954年に渥美線が名古屋鉄道から豊橋鉄道に譲渡されると、デワ30形も豊橋鉄道に移りました。

単車のデフォルトであるブリル21E台車を履き、自重10t、貨物積載量はわずかに5t、出力194KWの小型貨物電車でした。

1966年に2輌(31、32)が廃車となり、残った33はデワ10形11に改番され花田貨物駅の入れ替え作業に従事していました。1984年に貨物営業が廃止となると高師検車区での入換作業が主たる仕事となりました。

渥美線が1997年に1500Vに昇圧されると廃車になりましたが、田原市へ寄贈され、1998年から芦ヶ池農業公園(サンテパルクたはら)でデキ210形211と共に保存されています。

ワム24

写真4はワム20形ワム24、1984/1/21豊橋鉄道渥美線花田貨物駅にて。

渥美線には4両の有蓋貨車ワム20形ワム21〜24が在籍していましたが、1984年の貨物営業廃止に伴い同年に廃車となりました。

ク2002廃車体

写真5はク2000形2002の廃車体、1984/1/21豊橋鉄道高師車庫にて。

これは珍しい路面気動車の成れの果てという珍品です。三河鉄道が岡崎市内線(直流600V電化)と岡崎線(直流1500V電化、後の名鉄挙母線で1973年に廃止)を直通するために、1929年に日本車輌製造本店で小型軽量ガソリンカーを3輌キ10形11〜13製造しました。車体長は9.7mでウォーケシャ社製ガソリンエンジンと機械式変速機、偏心ボギー台車を備えていました。短い車体にもかかわらず3扉で両端の扉は路面電車と同じ低い扉、中央の扉は地方鉄道のプラットホームに適合した高い扉でした。1941年に名古屋鉄道に吸収合併されキハ150形151〜153となりました。1947年に付随車サ2280形2281〜2283となり渥美線に転属、1954年豊橋鉄道へ事業譲渡により制御車ク2280形2281〜2283に改造、1967年に2283が廃車され、残りは1958年にク2000形2001と2002に改番、1959年に中央の扉を埋めて2扉に改造されました。ク2002は1971年に廃車となり写真5のように倉庫として使われていたようです。

この頃の私鉄の車庫に見学に行くと、必ず裏手にはこのような廃車体が倉庫や労働組合の事務所として残されていました。

保線用モーターカー

車庫の裏手で見つけた保線用のモーターカーです。最近のモーターカーは設計が標準化されていて、どこのも同じ顔つきですがこれは背が高くて(仮台車のせいか?)少しおっかない顔つきの珍しいものでした。

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