古い車輌の写真

北恵那鉄道 1

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RP216 Web#=363 掲載2009/8/30

写真1〜4はデ1形2、1976/6/5北恵那鉄道中津町駅にて。

北恵那鉄道は木曽川にダムを建設したことで、支流の付知川で筏による木材輸送の代替輸送機関として建設されました。しかし貨物輸送の主体は木材ではなくて、沿線で産する花崗岩(御影石)でした。開業は1924年で中津町と下付知の間22.1kmを結ぶ600V電化路線でした。廃止は1978年で貨物輸送がトラックに置き換わっていったためです。

写真のデ1形は1924年の開業に際して梅鉢鉄工所で1〜3と5の4輌が新造されました。車体は木造で当初の台車は2軸のブリル社製ラジアル台車(ブリルE-2)でした。就役当初から電気機関車代用を勤めていました。

1943年に老朽化した車体を更新していますが木造のままでした。1957年に名古屋市交通局から路面電車用小型ボギー台車(ブリル76E-2)を購入して、ボギー車化されています。1962年にポール集電からZ型パンタグラフに取り替えられています。

1964年に名古屋鉄道からモ560形が譲渡されるとデ1形は1、3と4が廃車になり、2だけが電気機関車代用として残されました。1978年の鉄道廃止まで使われ、後に保存されましたが現在は解体されて残されていません。

写真のように長さが10.7mで定員50名、自重20tとボギー車としては極めて小型でしたが、出力は112KWと強力でした。

この鉄道を訪れたときデ2は国鉄中央本線中津川駅で受け取ったワムを中津町駅の横にある王子板紙の貨物ホームに入換える作業を元気にこなしていました。廃線間際で線路の状態は悪く、かなりギクシャクした動きが見受けられました。

251

写真5、6はデキ250形251、1976/6/5北恵那鉄道中津町町駅にて。

この電気機関車は関西電力が丸山水力発電所工事用資材を名鉄の八百津線で運ぶために、1952年に日立製作所でデキ250形251、252の2輌を新造しました。丸山ダムが完成してから、名古屋鉄道に譲渡され600V区間(八百津線、広見線、小牧線など)で貨物列車の牽引に使われていました。その内251は1966年に瀬戸線へ転属となり、1969年に北恵那鉄道に譲渡されました。貨物列車に活躍し1978年の廃止後は保存されましたが、現在は解体されて残っていません。

出力は300KWとあまり強力ではありません。訪問したときは貨物輸送もほとんどがトラックに移行し貨物ホームの先で昼寝状態でした。

ひさしの無いノッペリとした感じの運転台と電車のような華奢な台車、ド派手な虎縞模様が印象的でした。

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