古い車輌の写真

羅須地人鉄道協会の機関車

軽便蒸気機関車 6号

RM010 Web#=380 掲載2009/9/2

写真1〜4は6号蒸気機関車、撮影日付は不明、ポートピア博覧会会場のアトラクションにて。

港町神戸では1981年3月20日から9月15日まで、三宮(神戸の中心地)の南側の海を埋め立てて造成された人工島ポートアイランドで、第一期工事竣工記念の博覧会が開かれました。そこでこの6号蒸気機関車は短い仮説の線路で小さな客車を使って子供たちを乗せて楽しませていました。

元は台湾の基隆(キールン)炭坑で使われていた蒸気機関車6号機で、1941年に楠木製作所製が製造したものです。1978年に基隆炭坑が閉鎖となり、同年愛好家のグループ(全日本小型機関車研究会、後に羅須地人鉄道協会)の手によって日本の輸入されました。

重量は3.5t、常用圧力は6Kg/cuという超小型で、実用となる蒸気機関車の下限でしょうか。

最初は新潟県糸魚川市で操業していた東洋活性白土株式会社の好意で、その本社工場専用線で保管してもらい運転会などを実施していました。

羅須地人鉄道協会はポートピア博覧会協会からの申し出を受けて3号機と6号機の2輌の蒸気機関車を貸し出しました。賃貸料の支払いと終了後に蒸気機関車をきちんと整備して返却する、そし使用したレールと枕木を譲渡するという条件でした。ところが博覧会側は酷使されて傷んだ機関車をろくな整備もせずに返却し、後は知らん顔をしていたようです。結局訴訟となり、きちんとした契約も締結せずに善意と好意に満ちていた羅須地人鉄道協会は、海千山千の博覧会側に敗訴し6号蒸気機関車は長い期間稼動できない状態でした。

活動の拠点だった東洋活性白土株式会社が1982年に廃業となり、羅須地人鉄道協会は新しい活動拠点を探さねばなりませんでした。1993年から千葉県香取郡下総町の成田ゆめ牧場(秋葉牧場)の好意でで、新たに線路を敷設し活動を再開しています。新しい拠点ができたことで、ようやく1998年から蒸気機関車の修理作業が愛好家たちの手によって始められ2000年に竣工、運用が始められました。

加藤製作所製の小型ディーゼル機関車 4

写真5、6は加藤製作所製4号ディーゼル機関車、撮影日付は不明、ポートピア博覧会会場の仮説線路におけるアトラクションにて。

これも実用となるディーゼル機関車としては下限の大きさでしょうか、自重が3tです。

この羅須地人鉄道協会は従来の書斎形愛好家とは違い、自分たちの手で軽便鉄道を建設し運用するという今までの日本には無かったタイプのクラブです。ボイラ技師の国家資格保持者、大型建設機械の免許保持者、趣味でクレーン付きのトラックを保有している人、ホンモノの鉄道で保線の経験がある人など多士済々の会員を擁していて自力で蒸気機関車の製造ができるそうです。

羅須地人鉄道協会のサイトはこちらです。 

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