古い車輌の写真

国鉄の冷蔵車

レナ5058

RJ106 Web#=403 掲載2009/10/14

写真1はレ5000形レナ5058、1963/10国鉄東海道本線東灘操車場にて。

レナ5000形は1936年〜1939年に565輌が製造されました。日本での鮮魚輸送ではトロ箱に砕いた氷と一緒に入れる所謂「抱き氷」で輸送されるケースが多いので、天井氷槽が無い冷蔵車です。レナのナは天井氷槽がナいという意味です。車体は木造で銀色の塗装が施されていて、蒸気機関車が牽引する真っ黒な貨物列車の中でひときわ目立っていました。

レテ7057

写真2はレ7000形レテ7057、1963/10国鉄東海道本線東灘操車場にて。

レテ7000形は1949年と1952年に330両が製造されました。アメリカでよく使われていた天井氷槽式だったためか、アメリカ軍に徴用されて横浜港と各地のアメリカ軍基地の間で食料品の輸送に活躍しました。レテ12000形と同じ時期に製造されたのですが、車体が木造だったので軽保冷車扱いでした。1974年に全車廃車となりました。

レテ12960

写真3はレ12000形レテ12960、1969/9/1国鉄山陽本線姫路市場駅にて。

1950年〜1953年にレテ10000形が543輌作られました。テは天井氷槽式という記号です。1954年からこれを二段リンク式軸受けに改良したレテ12000形が作られ、後にレテ10000形も二段リンク式軸受けに改造されレテ12000形に合流しました。結局両者で1843輌という冷蔵車最大の輌数が作られ大活躍をしましたが、1973年〜1979年に廃車となりました。

レム909

写真4はレム400形レム909、1969/9/1国鉄山陽本線姫路市場駅にて。

製造費が高くて繁閑の差がある冷蔵車の稼動率を上げるために、汎用有蓋貨車と兼用の冷蔵車がレム1形として300輌作られました。レム400形は保冷性能に問題のあったレム1形の改良型として、1960年〜1963年に703両が製造されました。しかしこれでも保冷性能は不足で、荷主に嫌われたために早くも1967年に廃車の方針が採られるようになりました。

ワム407

写真5はワム400形ワム407、1970/7/9国鉄東海道本線西宮駅にて。

有蓋車兼用で軽保冷の冷蔵車レム400形は二兎を追うものは一兎も得ずというわけで、保冷性能に問題があって荷主からは敬遠されていました。1969〜1970年に703輌の内110輌が、引戸密封装置を取り外し塗装を黒にして汎用の有蓋車に改造されました。残ったレム400形は1974年までに、ワム400形も1979年までに全て廃車となりました。

レム6028

写真6はレム5000形レム6028、1969/9/1国鉄山陽本線姫路市場駅にて。

レム5000形は1964年〜1969年に1461両が作られた重保冷の冷蔵車です。この前にレムという形式記号で作られた軽保冷のレム1形とレム400形は保冷性能に問題があったので、それと混同されないように青い太線が車体に巻かれていました。保冷性能も設計通り十分だったので大活躍をしましたが、1982年〜1986年に全てが廃車となりました。

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