古い車輌の写真

阪急 1100系

RP253 Web#=405 掲載2009/10/17

太平洋戦争後の混乱も収まり、戦前とは全く異なる高性能電車の魁として京阪神急行電鉄は1954年に1000形1000〜1004の4輌をナニワ工機で製造しました。車体はナニワ工機が開発した準張殻構造で、車体全体も丸みが持たせてあり、側板が<状に外側にふくらんで窓が一段飛び出していました。1010系と1100系、1300系は1000形の試作を元に改良したもので、サイト・オーナーは阪急電車の中で最も優れたデザインと思えますが、いかがでしょうか。

1000と1010系は神戸線、1100系と1200系は宝塚線、1300系と1600系は京都線で就役しました。

1110

写真1は1100形1110、1970/3/25阪急京都線正雀工場にて。

写真1の1110は就役してから20年近く経過した後ですが、Hゴム化されていない妻面窓、塗装されたサッシュ、屋根側面のルーバーが原型をとどめています。残念ながら3扉化されていますが、丸みを帯びた優しくシンプルなデザインが印象的です。

1113

写真2は1100形1113、1977/12/11阪急宝塚線十三駅にて。

写真2の1113はヘッドライトがシールドビーム2灯となり、ユニット・クーラーを搭載している晩年の姿ですが、珍しく運転台の窓が原型を留めています。

1116

写真4と5は1100形1116、1970/3/25阪急京都線正雀工場にて。

1970年には千里丘陵で開催された万国博覧会Expo 70の観客輸送に、準急の方向板を掲げて活躍していました。

この万博輸送が終わってから、固定編成化による運転台の撤去、乗務員扉の埋め込み、ユニット・クーラー搭載、シールドビーム2灯化などの原型を損なう工事が行われました。

窓の部分が一段厚くなっているのに注目してください。これはウインドウ・シルやウインドウ・ヘッダーではありません。

1142

写真6は1140形1142、1970/3/25阪急京都線正雀工場にて。

中間車に改造された1142です。写真で見られるようにヘッドライトが埋められ、運転台とパンタグラフが撤去されています。乗務員扉は残されていますが、後に冷房化改造された電車は乗務員扉も埋められています。

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