古い車輌の写真

雪掻車 2

キ140

RJ109 Web#=410 掲載2009/11/8

写真1はキ100形キ140、1966/8/5国鉄青森機関区にて。

キ100形は1928年から1956年にかけて国鉄の工場と飯野産業、立山重工で作られた線路の両側に排雪する単線用の鋼製ラッセル雪掻車です。キ100〜294の194輌が在籍していました。木造ラッセル車からの改造やラッセル前頭部の鋤の構造、前面窓の構造など地方毎の変化が多いのも特長です。

キ572

写真2と3はキ550形キ572、1966/8/5国鉄青森機関区にて。

進行方向左側にだけ排雪する鋼製複線型ラッセル雪掻車キ550形は1932年から1968年にかけて新製や改造によって70輌が造られました。1932年に最初の1両がキ250形キ250として就役しましたが1941年に車両称号規程の改正によりキ550形キ550となりました。1943〜1959年に国鉄の各工場と飯野産業においてキ551〜556、キ559〜588の36輌が新製増備、1955年に木製の複線用ラッセル車キ1500形から改造によりキ557とキ558、1962〜1968年に単線用ラッセル車キ100形から改造によりキ589〜599とキ1550〜1569の31輌が増備されました。

キ100形もキ550形も主として機関車に押されて使用されていました。蒸気機関車の廃止と除雪用ディーゼル機関車の開発とともに使用されなくなり、キ100形は1989年まで、キ550形は1987年までに全て廃車となりました。

青森機関区の雪掻車のヘッドライトが見られないのは、シーズンオフに取り外して保管していたためでしょうか。

キ587

写真4はキ550形キ587、1966/8/5国鉄青森機関区にて。

写真を撮影したのは1966年で、まだ車体外部の塗色は黒一色でした。この後ヨンサントウと呼ばれる大規模はダイヤ改正があり、1968年以降ラッセル車は速度指定65km/hのロ車となり黄1号の帯を側面に巻くようになりました。

冬になると雪国の鉄道では雪掻車の出番です。私のような暖かいところに住んでいるものにとっては珍しい車輌なので、写真に収めようとしていたのですが、オフシーズンには機関区の端っこに押し込められている場合が多く、まともな写真を撮る機会はなかなかありませんでした。マックレー、ジョルダン、ロータリー、ディーゼル機関車の除雪ヘッドなどは高校生だった私にとっては遠い雪国の車輌で、書籍の上でしか見ることができませんでした。
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