古い車輌の写真

スノープローを装備した電車

クハ68052

RM011 Web#=411 掲載2009/11/9

写真1はクハ68形クハ68052、1972/5/24国鉄長野駅にて。

最も費用のかからない除雪装置は動力者の先頭に取り付ける小型のスノープローでしょう。国鉄でも雪国では電車のほかにディーゼルカー、電気機関車、ディーゼル機関車なども取り付けられていました。スノープローがあると、なんとなく勇ましく見えるのは不思議です。

クハ68099

写真2はクハ68形クハ68099、1976/6/4国鉄長野駅にて。

赤と黄色という派手な暑苦しい塗装は、雪に埋もれても視認性が確保されるからと聞きました。6月になっても小型のスノープローは軽量のためか取り外されていませんでした。

ボ2

写真3は富山地方鉄道軌道線ボ1形ボ2、1973/6/2市内線南富山検車区にて。

富山の湿った重い雪に対抗して、富山地方鉄道はインターアーバン区間のためにこのように立派なスノープローを装備した除雪電車を保有していました。

デ3533

写真4は富山地方鉄道軌道線デ3530形デ3533、1973/6/2市内線南富山検車区にて。

富山地方鉄道は1951年に日本車輌で作られた四輪単車を、除雪作業用として残していました。車体だけは新造の半鋼製で、機器とブリル21E型台車は古い電車のものを再利用しています。集電装置は珍しいボウコレクター(所謂Yゲル、またはハエタタキ)を採用していましたが、後にZパンタグラフに取り替えられています。四輪単車としては異例に長命で廃車解体となったのは2008年のことです。

デ3534

写真5は富山地方鉄道軌道線デ3530形デ3534、1973/6/2市内線南富山検車区にて。

デ3534も上記のデ3533と同じ様に除雪用として活躍しています。機器が単純で無理が利いたために、除雪のような酷使に耐えたとのことです。但し除雪といっても路面部分は除雪自動車で行われ、この電車の役割はフランジウエイの確保と融雪剤の撒布でした。1999年に廃車となりました。

ワフ9073

写真6は近鉄伊賀線ワフ9070形ワフ9073、1970/1/25近鉄伊賀線伊賀上野市駅にて。

近鉄伊賀線が走っている伊賀盆地は「伊賀の底冷え」といわれているように寒気はとても厳しいところですが、積雪量はあまり無いようです。除雪に関する機材も、このような暢気なワフが伊賀上野駅の貨物側線の端っこに止められているだけでした。
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