古い車輌の写真

私鉄の除雪車

津軽鉄道キ1

RP2 Web#=4 掲載2009/11/

写真1はユキ15形キ1、1966/8/5津軽鉄道津軽五所川原機関区にて。

雪国の私鉄では写真のような本格的な雪掻車が在籍していました。1930年に日本車輌で新造された木造単線ラッセル車でした。1967年に国鉄から1933年鉄道省大宮工場製造の鋼製単線ラッセル車キ120の払い下げを受けてキ100形キ101としています。現在は保線機械扱いのモーターカーで除雪作業を行っています。

頚城鉄道ラキ1

写真2は頚城鉄道ラキ1形ラキ1、1966/8/7頚城鉄道百間町機関区にて。

頚城郡は豪雪地帯ですが予算の少ない軽便鉄道なので、創意と工夫で自社機関区で国鉄軽便線である魚沼線で使われていた元魚沼鉄道のケワ153をラッセル車に改造して本線の除雪作業に使っていました。払い下げは1949年で当初は固定式のスノープローでしたが、1958年に機関車からの圧縮空気を使った可動翼となりフランジャーも装備するように改造されました。

頚城鉄道ロキ1

写真3は頚城鉄道ロキ1形ロキ1、1966/8/7百間町機関区にて。

ロキ1は自社機関庫でワ12にキャデラックのV型8気筒エンジンを搭載してチェインで駆動するロータリー車に改造したものです。主に構内の除雪作業に使われていました。

このラキ1とロキ1は頚城鉄道の廃止後に蒸気機関車以外の車両と共に、兵庫県神戸市在住の鉄道ファンに買い取られて長い間六甲山中のトンネルで保管されていました。最近になってもとの故郷である頚城に戻り展示保存されています。

北陸鉄道のモーターカー

写真4は北陸鉄道の車籍の無い除雪用モーターカー、1977/3/21北陸鉄道石川総線新西金沢にて。

最近は雪国でも地球温暖化の影響か積雪量が減ってきています。そのため大掛かりな除雪車を運用するよりも、写真のような保線機械を早期に何度も出動させて雪が積もらないようにする方向になってきています。写真のモーターカーは小型ながらロータリー式雪掻車です。

尾小屋鉄道のモーターカー

写真5は尾小屋鉄道の車籍の無い除雪用モーターカー、1973/6/2尾小屋鉄道新小松機関区にて。

尾小屋鉄道新小松機関区で1965年に製造された除雪用モーターカーです。

ラッセル車のような簡単な構造ではないロータリー除雪車を、地方の軽便鉄道の機関区で纏め上げたのは大変なことだったでしょう。当時の鉄道技術者の優れた腕前が伺えます。

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