古い車輌の写真

水島臨海鉄道 3 DC

キハ301

RP272 Web#=436 掲載2010/1/19

写真1はキハ300形キハ301、1974/5/19水島臨海鉄道水島機関区にて。

このディーゼルカーは北海道の炭坑が経営する夕張鉄道のキハ300形キハ301として1958年に新潟鉄工所で作られた半鋼製2軸ボギー液体式気動車です。客車を中間に連結したD-T-Dの3両編成などで急行列車にも使用されていましたが、旅客輸送合理化のために1968年に廃車となり、1968年に倉敷市交通局に譲渡され原型のままナハニフ153と共に使われていました。

正面は当時大流行していた湘南方電車を模した物ですが、サイドはキハ07のような狭い窓が並んでおり、TR-29によく似た菱枠型台車と共に、木に竹を接いだようなチグハグな印象を与えています。

キハ301は1978年まで使用された後に、岡山臨港鉄道に売却され1979年キハ7003となりました。そこで1984年の路線廃止までに使われて廃車となりました。

キハ302

写真2はキハ300形キハ302、1974/5/19水島臨海鉄道水島機関区にて。

元夕張鉄道のキハ302でキハ301+ナハニフ153+キハ302の3輌編成で使われていました。全長20m級の片運転台車で180PSのDMH17BXエンジンを搭載し、台車は旧式の菱枠式1軸駆動台車(国鉄TR29系)を履いていました。夕張鉄道の時代に切妻面にも運転台が増設され、単行で運用できるようになりました。このキハ302は踏切事故で損傷したため1975年に廃車となっています。反対側の妻面は踏切事故で損傷しており、撮影を遠慮しました。

キハ303

写真3はキハ300形キハ303、1974/5/19水島臨海鉄道水島機関区にて。

夕張鉄道キハ252形キハ252はキハ251の増備として1965年に新潟鉄工所で製造されました。旅客輸送合理化に伴い1971年に水島臨海鉄道へ譲渡されキハ303となりました。1973年原形のまま1978年まで使用された後に、1979年岡山臨港鉄道に譲渡されキハ7001として就役しました。1984年路線廃止に伴い廃車となり美作地方で保存されているようです。

キハ304

写真4はキハ300形キハ304、1974/5/19水島臨海鉄道水島機関区にて。

夕張鉄道キハ253形キハ253はキハ251の増備として1966年に新潟鉄工所で製造されました。廃車後水島臨海鉄道に譲渡され1973年キハ304としてほぼ原形のまま1978年まで使用されました。さらに岡山臨港鉄道に譲渡されてそれぞれ1979年からキハ7002となり、1984年の路線廃止まで活躍していました。キハ7001とともに岡山県美作市に保存されているようです。

ナハニフ153

写真4はナハニフ150形ナハニフ153、1974/5/19水島臨海鉄道水島機関区にて。

この客車の前身は夕張鉄道で石炭の戦時増産のために1937年と1940年に日本車輌東京支社で各2輌製造されたナハ150形ナハ150〜153の内のナハ153です。シングルルーフ、TR11台車、全長18.4m、自重25.1t、クロスシート、ストーブ暖房で定員夏84人/冬76人でした。1957年に荷物室が作られナハニ153、1958年にディーゼルカーの付随者とするために車掌室が設けられナハニフ153となりました。1968年にキハ301、302とともに水島臨海鉄道に譲渡され、ナハニフ153として就役しました。

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