古い車輌の写真

水島臨海鉄道 4 DC

キハ320

RP273 Web#=437 掲載2010/1/20

写真1〜3はキハ320形キハ321、1974/5/19水島臨海鉄道倉敷市駅にて。

この頃の水島臨海鉄道倉敷駅には写真でご覧のように黒っぽい貨物上屋が狭いプラットホームに建っており、乗客のための施設は黒く汚れた庇だけで、暗い雨空と相俟ってとても陰気な印象が残っています。今では明るい高架駅となって面目を一新しております。

この車は1952年に戦後の増備車としてキハ42000形キハ42618として国鉄大宮工場で作られました。戦前製と区分するために600番台となり、当初からDMH17型ディーゼルエンジンを搭載していました。ヘッドライトが屋根に埋め込まれて、よりスマートになっているのが特徴です。
1957年に車両称号規定改正に伴いキハ07形キハ07119に改番されました。
1960年に液体式変速機を搭載して総括制御ができるようになりキハ07202に改番されました。

1969年に水島臨海鉄道に譲渡されキハ320形キハ320となりました。写真でご覧のように大きな改造も無く活躍していましたが、国鉄から7輌ものキハ10形を譲受けてキハ35形として就役させたために、1980年にキハ321と共に廃車となりました。

サイト・オーナーの個人的な見解ですが、このキハ42000系の半流線型車体は旧型気動車の中では優れたデザインではないでしょうか。

キハ321

写真4はキハ320形キハ321、1974/5/19水島臨海鉄道水島車庫にて。

この気動車は鉄道省のガソリンカーキハ42000形キハ42013として1935年に日本車両で製造されました。
1951年に標準型ディーゼルエンジンとして量産が始まったDMH17型エンジンを搭載してディーゼルカーとなりキハ42500形キハ42503と改番されました。
1957年の車両称号規定改正に伴いキハ07形キハ074と改番されました。
1967年に同和鉱業片上鉄道が譲受けてキハ700形キハ701となりました。
1973年に同和鉱業片上鉄道より譲受けてキハ320形キハ321となりました。
1980年にキハ35形の大量導入に伴い廃車となりました。

片上鉄道 キハ703

写真5は片上鉄道に残っていた同僚のキハ700形キハ703です、1974/6/9片上鉄道片上機関区駅にて。

腰板に移されたヘッドライトのおかげで、客車のようななんとなく間が抜けた印象がするのはサイト・オーナーだけでしょうか?

有田鉄道 キハ201

写真6は有田鉄道のキハ210、1971/10/24金屋口車庫にて。

これは戦前型のキハ42000形の例です。この気動車の前身は1936年に鉄道省大宮工場で作られたキハ42000形ガソリンカーのキハ42037です。後に有田鉄道に譲渡されキハ210となりました。

戦前型のキハ42000形なので、高々と屋根の先端に掲げられた大きなヘッドライトが印象的で、戦後型キハ42000とは異なる印象を与えています。
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