デ31
RP280 Web#=444 掲載2010/1/28写真1はデ31形デ31、1970/1/25近鉄伊賀線上野市駅にて。 1948年に近鉄が三菱重工業で3輌製造した電気機関車で、写真のデ31は伊賀線、デ32は名古屋線そしてデ33は南大阪線に就役しました。デ33は1971年に養老線に転属となり貨物列車に使われていました。デ31とデ33は養老線の貨物営業廃止により車庫内入換用や除雪用として使われていましたが、2000年廃車解体されました。同時代の国鉄EF15の車体デザインに影響を受けたのか、柔らかな印象を与えていました。
デ51
写真2と3はデ51形デ51、1972年近鉄吉野線六田車庫にて。 吉野鉄道が1929年に川崎車輌で製造した電気機関車です。当初は吉野山系で伐採された木材などの貨物輸送に運用されていました。近鉄になってからもずっと南大阪線吉野線から離れることなく長く使われていました。1981年の南大阪線貨物輸送廃止に伴いデ51は工事列車用に転用されていましたが、1984年に廃車となりました。
このデ51形は造船会社が設計したためか、船の舷窓を思い浮かべる丸窓となっています。妻面は写真でご覧のように角度がつけられた折妻でした。吉野線は山岳線区で急勾配が続くために発電ブレーキが装備されていました。 全長10.4m、重量48.8t、1500V、出力596kwのB-B型でバー・フレーム台車を持っていました。 デ51は車端部にデッキが無く、吉野口の駅員の方の話によると入換作業に不便でした。そのためかデ51は六田(ムダ)の車庫で休車状態でした。
デ52
写真4〜6はデ51形デ52、1972年近鉄吉野線吉野口にて。 このデ52は主台枠の両端にデッキとステップがあり、入換作業を安全に行うことができました。吉野口の駅員の方には評判が良かったのですが、デ51より早く1975年廃車となりました。
吉野鉄道はこの電気機関車でサハ301形を牽引して花見特急として使うこともありました。
吉野線という急勾配の山岳線に挑むゴツゴツとした山男でしょうか。車体は西瓜のような近鉄色でしたが、屋根が灰色、主台枠が黄色の警戒色に塗られているのが印象的でした。
|