古い車輌の写真

京都市電 3 500

508

RP2 Web#=4 掲載2010/2/

写真1は500形508、1970/5/1京都市電烏丸車庫にて。

京都市交通局は1912年に開業し、1918年に京都電気軌道を合併しました。当初は四輪単車で営業していましたが、乗客の増加により大型半鋼製ボギー車500形501〜540の40輌が作られました。第1期として1912年に501〜510の10輌が1924年に田中車輌(後の近畿車輛)で作られました。13.5mの車体にJ.G.ブリル社製Brill 77E1を履き、モーターの出力は30kw X 2で60kwでした。

514

写真2と3は500形514、1970/5/1京都市電烏丸車庫にて。

第2期となる511〜517の7輌は1925年に田中車両で製造されました。車体とモーターの出力はほとんど同じでしたが、台車がボールドウイン64-20Rに変更されました。

当時は不況の嵐が吹き荒れており、京都でも乗客の数が減少し車体の大きな500形を持て余すようになりました。そこで1935年と1936年に汽車会社(514、515)と川崎車両(516、517)で全長10.7mの小型ボギー車の車体を作り、下回りや電装品を流用して載せ換えました。いらなくなった大型の車体は倉庫などに流用されたというもったいない話です。

523

写真4と5は500形523、1970/5/1京都市電烏丸車庫にて。

第3期となる518〜540の23輌は昭和天皇の即位式の拝観客輸送に備えて1928年に梅鉢鉄工所で製造されました。車体は同じ半鋼製でしたが、台車は国産の住友金属工業KS-45Lに変更されました。

500形は出力が小さく鈍足でしたが、大型車体の収容力は大きく全線で活躍していました。1978年の市電全線廃止に先立って1968年から廃車が始まり、1970年で全車が廃車となりました。

526

写真6は500形526、1970/5/1京都市電烏丸車庫にて。

500形は第1期506の1輌だけが京都市交通局の市電保存館で静態保存されています。

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