古い車輌の写真

京都市電 4 600、2600、2000

694

RP285 Web#=449 掲載2010/2/4

写真1は600形の内の後期型694、1970/5/1京都市電烏丸車庫にて。

1928年に500形の最後の増備があってから後に、1937年から600形の製造が始まりました。車体のサイズは1935年に小型車体に載せかえられた514〜517を踏襲して、より汎用性の高い中型車となっています。デザインは古い角ばった514とは異なり、当時流行だった流線型の車体を持っていました。600形は初期型が1939〜1941年601〜685の85輌、後期型が1942年686〜695の10輌、合計95輌が作られました。そのうち63輌が1600形へ、18輌が2600形へ改造されました。

2604

写真2は2600形2604、1970/5/1京都市電烏丸車庫にて。

600形は1956年から毎年10輌ずつ更新修繕(20年締替と呼ばれました)を受けていましたが、1963年に残っていた22輌の内18輌を当時新造されていた2000形と性能をそろえて連結運転ができるように改造されました。改造内容は間接式の制御器、直通ブレーキ、車体長の延長(10.7m→11.7m)と、大規模で前面もヘッドライトのシールドビーム2灯化と方向幕の大型化等で600形の面影は薄くなりました。

2617

写真2は2600形2617、1970/5/1京都市電烏丸車庫にて。

2600形の内3輌はナニワ工機の施工でしたが、残りは京都市交通局の壬生電車車両工場で施工されました。しかし京都市の財政逼迫と共に、もっと費用のかからない簡易なワンマン改造車の1600形に移行しました。この時の工事で得られたノウハウを元に、その後の600形→1600形、800形→1800形、900形→1900形などのワンマン化改造が交通局の手で行われていきました。

京都市電の廃止に伴い廃車となりましたが、2603が京都市左京区の京都コンピュータ学院北白川校で静態保存されています。また制御器が伊予鉄道松山市内線に譲渡されて、モハ50形51〜61号の制御器置換に使われています。

2004

写真3と4は2000形204、1970/5/1京都市電烏丸車庫にて。

ラッシュ時の乗客増加に対処するために混雑する線区で連結運転を行うことになり、1969年に2001〜2006の6両が新造されました。しかし連結運転に必要な複雑な機器のメンテナンスが煩雑であったために、乗務員や保守担当者から嫌われていたようで、市電全廃の前年1977年に廃車とされました。

2001の1輌だけが京都市交通局の市電保存館で静態保存されています。他の2002〜2006の5輌は伊予鉄道松山市内線に譲渡されました。

伊予鉄道松山市内線 2003

写真6はモハ2000形2003、1981年夏、伊予鉄道古町駅にて。

1978年に京都市電から購入した2000形2002〜2006は京都時代の1435mmゲージから1067mmゲージに改軌(車軸の交換)され、モーターをより強力なものに取替、ヘッドライトの1灯化、側面に方向幕の増設など改造が施され現在も現役で活躍しています。1992年に冷房化工事が行われています。

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