古い車輌の写真

頚城鉄道 4 ディーゼル機関車

DB81

RP291 Web#=475 掲載2010/3/13

写真1は頚城鉄道DB8形DB81、1966/8/7百間町車庫にて。

元は1945年に仙台鉄道が協三工業で新造した戦時規格型(JB8形)蒸気機関車B82です。1949年に仙台鉄道から譲渡され3(2代目)号となったのですが、重心が高くて脱線すると横倒しになる悪い癖があったそうです。また石炭の燃焼が悪く煙突を延長して就役しましたが、あまり使われずに1952年大阪の森製作所で下回りを再利用して2軸凸型車体のディーゼル機関車(所謂森ブタ)に改造されました。1955年に協三工業でかなり大きな改造が施されています。森製作所のディーゼル機関車は角張った無骨なスタイルで、とにかくディーゼル機関車にまとめるのが精一杯で、外観デザインなんて二の次だったようです。出力130HP、重量8t、長さ5.2mでした。

DC123

写真2は頚城鉄道DC12形DC123、1966/8/7百間町車庫にて。

元は十勝鉄道が1953年に日立製作所笠戸工場で新造した3軸L型車体のディーゼル機関車で、1960年に頚城鉄道に譲渡されました。少し大型で出力143HP、重量12t、長さ5.5mでした。どうもこの機関車はエンジンの調子が悪くて、晩年は不遇だったようです。車体のデザインは3台のディーゼル機関車の中で一番優れていたのではないでしょうか。

DC92

写真3〜5は頚城鉄道DC9形DC92、1966/8/7百間町車庫にて。

1914年にOrenstein & Koppel社で新造した1号蒸気機関車の一部を再利用して1944年に協三工業で作られた3軸凸型車体のディーゼル機関車です。再利用といっても1号はB型蒸気機関車だったので動輪は1軸新造追加、ロッドも新調とほとんど新造のディーゼル機関車となりました。

DB81とは違って専門メーカーの設計で、車体のデザインもなかなかスマートに仕上げられています。出力130HP、重量9t、長さ5.7mでした。厳冬期には常時稼動し、信頼性の高い機関車でした。

このDC92は頚城鉄道廃止の時に他の車輌と共に神戸市在住の個人に買い取られて、33年間もの長い間六甲山(神戸市)の山中で眠りに付いていました。それを相続された方が百間町車庫跡に開設された「頸城鉄道展示資料館」に寄付され、塗装も新しく公開されています。

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