古い車輌の写真

頚城鉄道 3 蒸気機関車

RP290 Web#=474 掲載2010/3/12

写真1〜3は頚城鉄道1形2号蒸気機関車、1966/8/7百間町車庫。

2号蒸気機関車は1911年コッペルの製造の9tCタンク機関車で、当初は建設会社大丸組が国鉄大井工場の建設工事に使うために4輌輸入したものの内の1輌です。1966年に廃車となり、本社ビルの前で保存展示されていましたが、1972〜1977年の間西武鉄道山口線(実態は遊園地のアトラクション)で井笠鉄道のボギー客車を牽いて活躍していました。現在は百間町車庫の跡地に2005/6/19に開館した頚城鉄道資料館で保存されています。

入り口の扉が閉められており、窓から差し込む弱い光で撮影しましたが、レタッチソフトを駆使してここまで救えました。

屋根を支える木造の梁が見える車庫で休んでいる2号蒸気機関車です。車庫入り口に見える大きな扉は厳しい冬を過ごさねばならない雪国に必須のものなのでしょう。

車庫の中で2軸オープンデッキの客車や有蓋貨車と並んでいる2号蒸気機関車の背面です。アセチレンや酸素のボンベ等の修理用工具類がローカル私鉄の車庫を演出しています。

写真4〜6は頚城鉄道1形2号蒸気機関車、1985/10/13大阪南港のSLフェスティバルにて。

この写真を撮影したのは就職してから15年目、身辺は多忙を極め鉄道巡りの余裕は完全に失われておりました。子供たちをだしに出掛けたのですが、これがちゃんとしたカメラで鉄道車輌を撮った最後の写真となりました。

この前に鉄道を取材したのは1年以上前の1984/1/21で、会社と取引のあった監査法人に勤務されている同じ趣味の方と一緒に豊橋鉄道を訪問しています。

このSLフェスティバルではテント張りのパビリオンの中でイギリスから持ち込まれた超古典ロコのレプリカが展示されていました。トレビシックやスティーブンソンが蒸気機関車を発明した時代のロコで、ここまで古くなると親しみが湧きません。屋外では有名なロムニー・ハイス & ディムチャーチ鉄道の蒸気機関車が遊園地的な客車を牽いて子供たちを喜ばせていました。こちらを参照してください。

SLフェスティバル会場の片隅に頚城鉄道のコッペル2号機が再塗装されて展示されていました。普通の人にはあまりアピールしなかったのか、誰も周囲にはおらず写真を撮るには好適。 こういう環境ではよくナンバープレートやメーカープレートなどが盗難に遭うのですが、見張りが厳重だったせいか完全な状態でした。頚城鉄道の百間町車庫で出遭ってから20年後に、こんなところで再会できて驚きました。

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