古い車輌の写真

ロムニーとコッペル

ロムニー・ハイス & ディムチャーチ鉄道のBlack Prince号

RM005 Web#=86 掲載2008/3/6

1985/10/13に大阪南港で開催されていたSLフェスティバルに家族連れで行ってきました。日付をきちんと記録してマトモなカメラで鉄を撮ったのはこの日が最後です。テント張りのパビリオンの中ではイギリスから持ち込まれた超古典ロコが展示されていました。トレビシックやスティーブンソンが蒸気機関車を発明した時代のロコです。でもよく見れば、後年になって作られたレプリカでした〜。屋外では有名なロムニー鉄道の蒸気機関車が遊園地的な客車を牽いて子供たちを喜ばせていました。

ロムニー・ハイス & ディムチャーチ鉄道 ( Romney Hythe and Dymchurch Railway 略称はRHDR )はイギリスのイングランド地方、ケント州にある15インチ(381mm)ゲージの観光鉄道(海沿いのリゾートにあります)です。全長23kmもの長い路線を営業していて、ホンモノの鉄道としては最も狭いゲージを採用しています。1927年7月16日に開業しました。レーシングドラーバーであった人の夢を実現した鉄道で、所謂ライブ・スティームの模型鉄道とは違うものといえますでしょう。

第2次世界大戦の時は列車砲を装備してナチスドイツからの攻撃に備えて沿岸警備の一翼を担っていました。

写真のブラック・プリンス号はドイツのエッセンに在るクルップの工場で1937年に3台作られたものの内の1台で、最近(1976年)ロムニー鉄道にNo.11として就役したものです。

静岡県伊豆市修善寺にある虹の郷には、これと同じサイズの車両を使った遊覧鉄道があり、「ロムニー鉄道」と呼ばれています。




イギリスのRH&DRのオフィシャルサイトからこのロコに関する記事を引用してみましょう。
 
German outline 4-6-2 Pacific locomotive ドイツ型2-C-1
Designed by Roland Martens
Built by Krupp of Essen in 1937 クルップ社1937年製
Overall length: 24' 4"   長さが約7.4m
Weight in working order: 9ton 12cwt   重量は9トン強
Driving wheel diameter: 1' 10.75"    動輪直径580mm程度
Cylinders: 6" x 10" シリンダー200mm X 250mm

One of three locomotives built by the German manufacturer Krupp and designed by a contemporary of Henry Greenly, Roland Martens. They were all built for a trade fair held in Dusseldorf. Originally named Fleissiges Leischen (which, in English, is small flower) she saw some action in Köln, before being put into store.
Her two sister locomotives were then brought to England and have found a home at the Bressingham Steam Museum in Norfolk. The third was retained by its owner for sentimental reasons, but resurfaced in 1976 when it was offered for sale to the RH&DR.

頚城鉄道のコッペル

同じ会場の片隅に頚城鉄道のコッペル2号機が展示されていました。塗装もぴかぴかで部品の欠品もなさそう。

この会場内で唯一ホンモノの鉄道路線で、本物の列車を牽引して営業活動をした経験の在る蒸気機関車でした。普通の人にはあまりアピールしなかったのか、誰も周囲にはおらず、写真を撮るには好適。

「お手を触れないで下さい」の看板は余計、それよりもこの蒸気機関車の経歴を書いてほしかった。

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